【野球】リーグ優勝に突き進む岡田阪神が注意すべきこととは 評論家が指摘

 18年ぶりのリーグ制覇に向け、岡田阪神が優勝マジックを15まで減らしてきた。8月16日の広島戦に勝利してマジック29が初めて点灯した後、21まで減らしながら、同29日のDeNA戦に敗れて一度は消滅。だが、9月1日のヤクルト戦に勝利し、広島が敗れたことでマジック18が再点灯。ヤクルトに3連勝を決めた3日にはマジック点灯後初めて、1日に2つマジックを減らすことに成功した。

 残り23試合で直接対決が7試合ある2位・広島とは7・5ゲーム差。最短優勝日は9月13日となっているが、阪神が今後、注意べきポイントはどこにあるのだろうか。

 阪神OBの中田良弘氏は「ケガだね。岡田監督はシーズンを通して、チームとしてのある程度の故障は計算していると思うんだけど、優勝が間近に迫ったこの時期に長期離脱となる大きなケガだけは避けておきたいところ。今のチームにおいては、近本、大山、坂本の代わりはいないから、彼らが離脱するようなことはあってはならない。優勝した先のCS、日本シリーズも見据えれば、現時点では時間的な余裕はあるとはいえ、選手個人個人には万全の状態で臨んでもらいたいところだからね」と指摘した。

 アクシデントといえば、チームでは7月2日の巨人戦で近本が高梨から右脇腹に死球を受けて右肋骨を骨折。驚異の回復力で離脱期間はわずか11試合だったが、3日のヤクルト戦でも左腕・山本からまたも右脇腹に死球を受けた。近本は「何ともないです。分かんないです。当たってるんで、そりゃ痛いですよね。あんまり何もなかったのでいいと思います。別に」と気丈に振る舞った。4日に都内の病院で受けた精密検査で打撲と診断されたことは救いだが、5日・中日戦の出場は微妙な状況だ。

 8月13日のヤクルト戦では、梅野が今野から左手首に死球を受けて左尺骨を骨折し、今季中の戦列復帰が絶望視されている。梅野の戦線離脱後、チームは坂本、長坂、栄枝と捕手3人体制を敷いているが、16試合連続でスタメンを張っている坂本までも離脱することになれば、現在は野手に専念している原口を除いて、厳しい重圧がのしかかる1軍の試合を多く経験した捕手が不在となるだけに、絶対に坂本が離脱する事態だけは避けなければならない。

 投手では守護神を期待された湯浅が左脇腹の筋挫傷で、6月15日のオリックス戦を最後に1軍登板から離れている。救援陣はストッパー経験のある岩崎が代役守護神を務め、防御率1・29でリーグ3位の28セーブを挙げており不安要素は見当たらないが、勝利の方程式を担っている桐敷、島本、岩貞、石井、現在2軍調整中の加治屋らが欠ける事態となれば、白星の計算が立ちにくくなる。登板数、登板間隔、球数等を考慮しながら起用している首脳陣の気遣い、配慮なども見逃せないポイントになってくるだろう。

 中田氏は阪神のリーグ優勝に関して「数字を見る限り、もう大丈夫だと思う。5日からの中日2連戦を1勝1敗、その次の広島3連戦は最低1つ勝てばいい。3連敗だけしなければ」と語った。

 監督、コーチ、選手は、視界の先にたなびくゴールテープを切るために今、全力で戦っている。ただ、その道中で不測の事態が起こらない、起こさないことも大事。組織としてのチーム、選手個人においてもリスクマネジメントが重要になってくる。(デイリースポーツ・鈴木健一)

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