【野球】WBC侍ジャパンに大谷が加われば、どんな化学反応を起こすのだろうか

 来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け順調に滑り出した侍ジャパン(野球日本代表)に、大谷翔平(28)が加わればどんな化学反応を起こすのだろうか。

 栗山英樹監督(61)率いる侍ジャパンが日本ハム、巨人との強化試合に連勝。9日、10日に札幌ドームで行われるオーストラリアとの強化試合に向けて弾みをつけた。特に令和初、史上最年少の三冠王に輝いた4番・村上宗隆(22)は絶好調だった。6日の巨人戦(東京ドーム)で2試合連発となる、2打席連続本塁打を記録し本番に向けて早くも存在感を発揮した。

 第5回WBCで日本はB組に入り、来年3月9日に1次リーグの中国戦(東京ドーム)を皮切りに、準々決勝進出をかけて韓国、チェコ、オーストラリアと戦う。1次リーグで1位通過を果たせば台湾、オランダ、キューバ、イタリア、パナマが争うA組2位と、また2位通過ならばA組1位と対戦することになる。

 他の組も強豪ぞろいで、現在世界ランク1位で、2009年以来3度目となる世界一を目指す日本にとって楽な試合は1試合もない。特に前回の優勝国で、大会連覇を狙うアメリカはこれまで以上に本腰を入れている。過去、アメリカはMLB各球団のチーム事情もあり、超一流といわれるメジャーリーガーが参加を見送ることが多かった。だが、今回は過去3回もMVPを受賞している大谷の同僚、マイク・トラウト(31)や今季のワールドシリーズで世界一に輝いたアストロズのカイル・タッカー(25)、世界一を争ったフィリーズのJ.T.リアルミュート(31)、ブライス・ハーパー(30)、ドジャースのムーキー・ベッツ(30)などがメンバー入りしている。投手陣の選出はこれからだが、アメリカ国内でWBCへの認知度が高くなっていることを考えれば、各球団のエース級が名を連ねる可能性は大だ。

 そんなチームを相手にするには、昨季はMVPを獲得し、今季も打者としては規定打席、投手では規定投球回数をクリアするという快挙を演じた大谷の存在は必要不可だ。今やメジャーリーグの顔になった大谷は5年間、MLBの第一線で活躍したことで経験を積み、知識を蓄積している。日本の野球とMLBの野球との細かい違いまで把握しただろう。侍ジャパンもすでに対戦国の情報収集を開始しているが、実際投打で対戦してきた生の情報ほど貴重なものはない。

 現在、大谷のWBC参戦は正式には決まっていないが、本人は前向きなコメントを残している。MLBのシーズン前の大会に参加することで疲労の蓄積や故障を危惧する声は確かにある。だが、二刀流の可能性を伸ばし、育ててきたのは日本ハム時代の栗山監督だ。ベストな起用法を編み出すことは間違いない。侍ジャパンに選ばれるメンバーの中には近い将来、MLBでのプレーを視野に入れている選手も多い。その中に大谷に加われば刺激を受け、どんな化学反応を示すのか、楽しみで仕方がない。(デイリースポーツ・今野良彦)

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