【野球】やり繰り上手の巨人・原監督の手腕 交流戦でも生きてくるのか

 やり繰り上手の巨人・原辰徳監督(63)の手腕は、交流戦でも生きてくるのだろうか。

 日本生命セ・パ交流戦2022が24日から始まる。パ・リーグ主催試合ではDH制が採用され、不慣れなセ・リーグ各球団にとっては誰をDHに起用するのか-がひとつのポイントになってくる。セ・リーグの指揮官は試合のポイント、ポイントで投手に代打を送るタイミングを計る。たとえ、先発投手が好投しても、味方が点を取れなければ試合には勝てない。

 投手に代打を送れば当然、その後は継投策となる。12球団にいずれもストッパーは固定されているが、それまでの投手起用に頭を悩ます監督も多いだろう。

 だが、投手を打席に立たせることなく、攻撃的な選手をひとり多く起用できるDH制では、監督はその部分で頭を悩ます状況が減るのは間違いない。

 今季、投手起用、交代で最も頭を悩ませているのは原監督だろう。最近のプロ野球では、投手へのヒジ、肩への負担を考えてさらなる分業化が進み、先発完投が少なくなっている。

 DH制を採用していないセ・リーグ6球団を比較した場合、巨人の先発投手が完投完封で勝ち投手になったのは、ここまで49試合を消化してわずか1試合。新外国人のマット・シューメーカーが4月25日に中日戦(バンテリン)で2安打完封勝利を飾った試合しかない。現在、5勝でセ・リーグのハーラートップに立っている菅野智之、戸郷翔征も救援を仰いでいる。

 最下位の阪神も先発陣は好調で、すでに6試合も先発投手が完投勝利を収めている。広島、中日もそれぞれ4試合、先発完投勝利を飾った試合がある。巨人の1試合はセ・リーグ最下位の数字である。

 巨人の先発陣はそれなりに好投しているものの、あまり長いイニングを投げていない印象がある。実際、1軍の規定投球回(所属球団の試合数×1・0)に達している投手は23日現在、戸郷ひとりしかいない。それでも、セ・リーグ3位のチーム防御率3・39で、首位ヤクルトと1ゲーム差の2位に踏みとどまっているのは、原監督の手腕といっていいだろう。

 だが、交流戦でDHを採用し、下位打線まで息が抜けないパ・リーグ主催試合では、通常の公式戦とは違う、状況に応じた投手交代を強いられることは間違いない。ここまでのペナントレースをみる限り、どの球団も勝ち負け紙一重の試合を繰り広げている。それだけに、監督の投手交代での手腕が勝敗を分けるポイントになる。

 日本一3回、9度のリーグ制覇を誇り、あと1勝で故星野仙一さんと並ぶ歴代10位タイの監督1181勝に王手をかけている指揮官の采配が、ヤクルト、広島との三つどもえの戦いから抜け出す武器となるか。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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