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【野球】大阪桐蔭・西谷監督の低姿勢「藤浪と今年も契約して頂いてありがとうございます」

 大阪桐蔭がセンバツ4度目の頂点に立った。監督としても春夏通算8度目の甲子園制覇となり、もう高校球界随一の名将と称しても過言ではないだろう。

 だが試合後のインタビューでは常に謙虚。3月31日の決勝戦後も「(近江の)山田君が万全でない中のゲームで苦しい投球だったと思うが、それに負けずに、闘志に負けないように粘り強く戦ってくれた」と相手をおもんぱかった上で自軍をたたえ、「広島商さんは試合ができず。野球ができるのが当たり前じゃない」。新型コロナの集団感染で2回戦を辞退した広島商にも言及した。

 記者がアマ野球担当をしていた2015、16年と大阪桐蔭をよく取材した。試合後、西谷監督に話を聞くと必ず相手をたたえ「次戦も勉強させてもらえれば」と低姿勢なコメントが返ってきた。それは決して報道陣の前だけではない。阪神担当に籍を移した17年12月、甲子園で行われていたタイガースカップを視察していた西谷監督の下へあいさつに出向いた際、こんな一言が耳に飛び込んできた。

 「また今年も藤浪と契約して頂いて、ありがとうございます」

 この言葉は自分が隣の席を離れた直後、あいさつに訪れた阪神・畑山チーフスカウト(当時、現・統括スカウト)に向けて発せられた言葉だった。思わず振り向くと深々とおじぎする西谷監督の姿が。この年、藤浪は自己ワーストの3勝にとどまり、2年連続で不振にあえいでいた。

 ただ高卒1年目から3年連続2桁勝利をマークしており、戦力外通告の対象にもなっていなかった状況。それでも教え子が来年も阪神のユニホームを着れることへの感謝を、担当だった畑山スカウトに伝えていた。

 大阪桐蔭出身の現役NPB所属選手は今年、育成を含めて全国の高校で最多となる23人を数える。好素材を見つけ、「ここまでやるのか」と間近で見せてもらった冬の練習で鍛え上げる。そして春に花を咲かせ、最後の夏へと向かっていくスタイルは今も変わらないと思う。

 常に「勉強」という言葉を使い、周囲への感謝、教え子たちへの気配りを欠かさない西谷監督。そして色んな声が上がってもまったく動じない。この春、相手に一度たりとも隙を与えなかった野球は、指揮官のこういう姿勢があるからでは?とも思えてくる。

 インタビューの最後に「まだまだ発展途上。41人で戦ってきて、明日から4月。1年生交えて全員で夏に向かっていきたい」と語った西谷監督。さらなる強さを身につけて夏の頂点まで駆け上がるのか、それとも打ち破るチームが出てくるのか-。(デイリースポーツ・重松健三)

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