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【芸能】デビュー15周年の古武道 長続きの秘けつは「お互い納得いくまで」

インタビューに応える古武道の妹尾武=都内
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 純邦楽の藤原道山(尺八)、クラシックの古川展生(チェロ)、ポップスの妹尾武(ピアノ)という各ジャンルのトップアーティストによるユニット「古武道」が、4月6日にデビュー15周年記念アルバム「光」をリリースする。3月12日には歌手・岩崎宏美をゲストに迎えて大阪・新歌舞伎座で記念公演「古武道歳時記~浪速春しぐれ~」を、4月23日には東京・大手町三井ホールで記念コンサートを開催。リーダーの妹尾に、15周年の感慨と未来展望を聞いた。

  ◇  ◇

 脱退や解散が付き物なバンドを15年続けられた理由を、妹尾は「キャリアを重ねて出会えたから、大した揉めもなく続いたのかな」と説明する。結成時は全員30代。存続の危機も「何度か」あったというが「ちゃぶ台ひっくり返すみたいなことはなかった。よくある音楽的な方向、選曲とか」と、決定的な事態は訪れなかった。

 「お互い納得のいくまで(話し合う)。ジャンルが違うということもあって、そこをうまく埋めていく」。つまりは大人の集団ということだ。「ソロ活動で色んな人に出会って色んな刺激を受けて、3人で会った時に持ち寄って」という、古武道ならではの活動ペースも大きいという。

 アルバムタイトル「光」には、コロナ禍の時代に「音楽で光を表現して、日常に少しでも前向きな気持ちとか、未来への希望を感じてもらえたらうれしい」という3人の思いが込められている。

 本作では古武道初のオリジナル曲「Best Friend」を15周年バージョンとして「ライブバージョンに限りなく近い3人だけの演奏で」新レコーディング。「3人が出会って、その3人でまた聴きたいって言ってくださった皆さんのためにって言ったらおこがましいんですけど、3人で初めてできたオリジナル曲をこのご時世に『光』ってアルバムに載せて、レコーディングし直すことにすごく意味があるような気がした」という。

 原点回帰の理由は「今回は3人で演奏した曲しか入っていなくて。裸一貫じゃないですけど、シンプルなだけに選曲とかアレンジもこだわった。10周年にベストも出してるので、全く違う方向でオリジナル色を全面に出したい気持ちがあった」というものだ。

 全12曲中4曲はクラシック、1曲は映画音楽、1曲は唱歌のカバー。古武道はオリジナル曲を重視する一方で「歌とか詞がない分、この3人でしかできないものを追求していきたい」という思いも強い。カバーも「3人がそれぞれいいと思える隠れた名曲とか、楽器の特性、尺八、チェロ、ピアノでオーケストラ感が出せるような曲を選んでやったりとか、すごく考えてやってる」といい、「オリジナル曲とうまく一つのアルバムとして」融合できたと自負する。

 初のライブバージョンも2曲収録。スタッフに提案されたもので、妹尾は「そのままが出ちゃう」と照れつつも「素になった音ってこのご時世、すごく大事だと思う。生のお届け感、できたての、何もお直ししていない状態の音。だから入れられて本当に良かった。(生音に触れる機会が)減らざるを得ないからね」と、コロナ禍でライブがままならない状況下でこその意味を見いだしている。

 12日の「古武道歳時記」は、恒例の年末公演がコロナ禍で開催できず「古武道のお祭りみたいなやつ」を行うべく開催。「岩崎宏美さんとのコラボも楽しんでいただきつつ、今までの集大成」のような内容だという。10年ぶり共演の岩崎は「皆さんのよく知っている曲と、僕がどうしてもやってほしかった、高校の時に初めて買ったシングル曲『好きにならずにいられない』」を歌う予定だ。

 また、東京公演は「光」収録曲を存分に披露する“レコ発ライブ”になるという。

 最後に、未来展望を聞くとこう答えた。

 「せっかく15までいったので20周年、一緒に歩んでいきたい。ファンの方が背中を押してくれて結成したので、無理やり寄せ集めで作ったユニットではないので、そこは大切にしていきたい。少しずつお客さんと共に成長していけたら」

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 【古武道】純邦楽の藤原道山(尺八)、クラシックの古川展生(チェロ)、ポップスの妹尾武(ピアノ)が2007年結成。日本の伝統と感性を大切にしながらさまざまな音楽のルーツを取り入れ、新しいインストゥルメンタルを創造している。台湾の音楽賞「金曲奨」で最優秀編曲賞に選ばれるなど海外での評価も高い。妹尾は作曲家としてゴスペラーズ「永遠に」をはじめ高橋真梨子、鈴木雅之らに曲提供し、ピアニストとして松任谷由実、加藤登紀子らのライブやレコーディングに参加している。

 (デイリースポーツ・藤沢浩之)

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