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【野球】広島の新人合同自主トレで安仁屋投手コーチから飛び出した仰天のグラブ交換指令

 かつて広島の新人合同自主トレで、当時の安仁屋宗八1軍投手コーチが発した仰天のグラブ交換指令があった。

 プロ野球12球団で「新人合同自主トレ」がスタートしている。

 プロ野球選手会とNPB(日本野球機構)の話し合いでは「オフシーズンの明確化」を理由に、契約期間外は練習を強制できない決まりとなっている。野球協約第173条には「球団又は選手は毎年12月1日から翌1月31日までの期間においては、いかなる野球試合又は合同練習あるいは野球指導も行うことはできない。

 ただし、コミッショナーが特に許可した場合はこの限りではない。なお、選手が球団の命令に基づかず自由意志によって基礎練習を行うことを妨げない」と記されている。また、新人選手については例外的にトレーニングコーチの指導を選手会から認めてられている。

 かつては1月からチーム管理のもと、原則的に支配下登録選手が全員参加する形で合同練習が行われており、首脳陣が新人に口頭で何らかのアドバイスをすることもあった。その合同自主トレで今も記憶に残っている出来事があった。

 1989年の1月12日のことである。前日11日、広島は広島県廿日市市宮島にある「大野屋内総合練習場」で新人合同自主トレをスタートさせていた。2日目の12日、視察に訪れていた当時の安仁屋コーチが練習の合間に新人投手を集め、彼らに“プロの洗礼を”浴びせたからだ。それはドラフト1位の川島堅らが使っていたグラブの交換指令だった。

 安仁屋コーチはまず「公式戦になれば(他球団が)お前たちのピッチングを丸裸にする。癖がバレたらイチコロだ。手首の動き、握りを隠すためにはこのグラブではダメだ」と、サイズの問題を指摘した。そしてその小さいサイズのグラブを自ら持ち、手首の動き、ボールの握りが見えることを実践してみせた。

 また、安仁屋コーチはネットの部分にすき間があるグラブを使用している選手に対しても「もっと大きくて、ネットの部分から中の見えないものにしろ」とダメだし。全新人投手に、グラブの買い換え指令を発した。

 川島ら高卒ルーキー投手は「高校のときに、グラブのことまでいわれたことはありませんでした。ビックリした」と話していたと記憶している。私にとっても、プロ野球選手の道具に対する気配りを知る、興味深い出来事だった。

 どの球団も情報収集能力が向上の一歩をたどっている。ささいな動きや癖で相手に丸裸にされても仕方がない。それを防止するため、当時の広島の新人投手たちが2月1日のキャンプインまでに、全員がグラブを交換していたのはいうまでもない。=敬称略=(デイリースポーツ・今野良彦)

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