【競馬】蛯名師がスタートさせた第2の人生 どんな厩舎をつくるか

 2月28日の中山競馬終了後に、蛯名正義(現・調教師)の引退式が行われた。87年にデビューし、JRA歴代4位となる通算2541勝(うちG1・26勝を含む重賞129勝)を記録した関東のベテラン。式には柴田善、北村宏、松岡の3人が参加し、同期の武豊がビデオレターで登場。「また一緒に海外へ行けたらいいと思いますし、究極は蛯名厩舎の馬で凱旋門賞へ行きたいですね」というメッセージは記者の心に響いた。式が終わったあとも、多くの人に「お疲れさまでした」と声を掛けられていた。人柄の良さを物語っている。

 蛯名正義という男。記者のイメージは不器用で真っすぐな人だ。そう思うシーンはこれまでいくつもあったが、その一つが19年8月の出来事だ。9月に行われる調教師試験に専念するため、レースでの騎乗を休業することを知り、新潟競馬場で話を聞いた。その時の言葉が、「もともと器用な人間ではないし、どちらをやるにしても中途半端は良くないと思ったので、レースでの騎乗をお休みすることにしました」というものだった。調教師試験にチャレンジする時もそうだった。報告する義務はないが、報道陣に受験することを告知した。わざわざ自分を追い込む必要はないと思ってしまうのだが、それが蛯名正義という男なのだ。

 そんな不器用な男が調教師として第2の人生をスタートさせた。どんな厩舎になるのだろう。開業までには時間はあるが、今から楽しみだ。(デイリースポーツ・小林正明)

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