【野球】巨人・原監督「野球界発展のために」伝えたかった思いとは

 日本シリーズはソフトバンクの4連勝で日本一を飾った。ぶっちぎりでセ・リーグを制覇した巨人が、2年連続の4連敗。セとパの実力の違いがクローズアップされている。

 原監督は昨年から、DH制の有無がパ・リーグに大きく差をつけられている一つの要因でもあると明かしていたが、実際はどうなのか。セ・リーグを取材してきたものとして考えてみた。

 4連敗後の翌日、原監督は「敗軍の将、兵を語らずだ」と日本シリーズの敗因について多くを語らなかった。言いたいことはあっても一切、言い訳をしたくなかったのだろう。

 今シリーズは全試合でDH制を適用。原監督はパ・リーグに一日の長があるルールを受け入れたが、厳しい結果が待っていた。ただ、後悔はしていないはず。シリーズ開幕前、「有利不利、損得ではないよ。野球界を発展させるためにも、一歩踏み出す必要がある」と話していた。よりスリリングな野球ができるDH制の意義を、多くのファンに訴えたいという思いが伝わってきた。

 DH制は強打者の育成につながるという意見もあるが、私はDH制こそが投手育成につながるとみている。ソフトバンクの投手陣は球威があり、制球とも安定しているハイレベルな投手が多い。パに目をむけると、1番から9番まで気の抜けない打線が相手となり、逃げ道がない。

 一方、セは9番の投手で高確率でアウトを取れることで、精神的にも負担は軽い。1軍レベルとは言えない投手でも、下位打線が相手であっさり抑えてしまうケースもある。

 たった一つのアウトだが、その影響は大きい。セ・リーグ全体の投手の底上げをする意味でも、原監督が掲げるDH制の導入は決して的外れではないと思うのである。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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