【野球】世代のリーダー候補は巨人・戸郷 日本ハム吉田輝星がライバル視

 昨年末に日本ハム・吉田輝星投手(19)とじっくり話す機会があった。プロ1年目の課題と収穫、そして2年目に向けた強い決意。陽気なキャラクターで冗談も飛び交う楽しい時間だったが、同世代のライバルの話題になると表情が一変した。

 「加藤(2軍投手)コーチに『お前ら戸郷(巨人)世代だな』と言われたりして、そういうのがすごく悔しかったです。来年は『吉田世代』と言われるくらい活躍したいです」

 2018年度ドラフト6位で巨人に入団し、昨年9月27日・DeNA戦(東京ドーム)でプロ初勝利を挙げた戸郷翔征投手(20)。CSファイナルS、そして日本シリーズのマウンドを踏み、今も成長曲線を描いている。

 今年1月に米ブルージェイズに移籍した山口と合同自主トレを行い、大先輩からフォークを伝授された。2月のキャンプで順調な調整ぶりを披露し、実戦の中でも2年目の進化を体現。変則フォームから繰り出す150キロ超の真っすぐは威力十分で、3月25日の練習試合・中日戦(ナゴヤドーム)では4回1安打無失点7奪三振と全く寄せ付けなかった。

 新型コロナウイルスの収束を祈るばかりだが、プロ2年目で一気に飛躍したオリックス・山本のように、覚醒する可能性を十分に秘めていると思う。現状に満足せず、常に上を目指す飽くなき向上心を持つ20歳。以前こんなことを話していた。

 「もっともっと結果を出して、こいつを投げさせたいと思われる選手になりたいです」

 クールそうな感じに見えて、体の中では闘志が燃えに燃えている。今季のブレーク最有力候補で間違いない。戸郷翔征と吉田輝星。それぞれ新人王の資格を有する同級生2人の活躍が、待ち遠しい。

(デイリースポーツ・中野雄太)

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