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【野球】コロナ禍で異例のスカウト戦線…“在宅勤務”の担当スカウトは腕の見せどころ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響はアマチュア野球界にも波及している。高校野球はセンバツに加えて春季大会も各地で続々と中止が決定。大学野球も全国26連盟のほとんどが開幕の延期を決め、社会人野球は日本選手権と一部のJABA大会が中止となった。

 高校や大学は対外試合はおろか、練習自体もままならない苦境が続いている。同時にNPBのスカウトもドラフト候補を視察する多くの機会を失ってしまった。今秋ドラフトへ向けたスカウト活動に支障が出ている状況なのはいなめない。

 本来ならセンバツで各球団のスカウト陣が甲子園で一堂に会し、高校生を全員で確認するのが通例だ。出場32チームが出そろった後は担当の各地区へと散らばっていくが、セ・リーグのあるスカウトは「そもそも(選手を)見る機会がない」と頭を悩ませる。

 3月中旬までは大学や社会人が比較的オープン戦を実施していたため、この時期としては異例とも言えるほど各試合でスカウト陣が大挙する光景が目立った。ただ、選手はまだまだ公式戦に向けて調整段階。ドラフト候補の“100%”を把握できたとは言えない。

 7日には政府から7都府県に緊急事態宣言が出された。対象地域には12球団中8球団が本拠としていることもあり、活動の制限や休止をしているチーム本隊と同様に大半の球団のスカウトが自宅待機などを余儀なくされている。

 本来であれば高校、大学生、社会人と各カテゴリーで試合がめじろ押しの時期だ。パ・リーグのあるスカウトが「体が1つじゃ足りない」と漏らすように普段なら全国を飛び回っているが、視察できるのは練習を継続するごくわずかのチームのみ。公共交通機関での移動が多いことで感染リスクもあり、万が一のことを考えると遠方のグラウンドにもうかつには足を運べない。

 スカウト戦線が窮迫しているからこそ、むしろ各スカウトの腕の見せどころだと捉える面もある。「ノートをさかのぼって見ている」(パ・リーグのスカウト)と、これまでの視察で得た情報を“在宅勤務”で整理。来年、再来年のドラフト候補になりうる下級生の“予習”にも時間を割いているという。

 練習の視察も限られてくる中で目当ての投手がいつブルペン入りするかといった情報を収集するのも、各担当の人脈やネットワークがカギになってくる。練習態度など試合ではわからない部分も評価する上では貴重な要素の1つ。異例の状況下でいかに前を向いて取り組んでいるのかは見逃せない。

 スカウト陣全員で選手を確認する“クロスチェック”の場となる全国大会も、現状では夏の甲子園と全日本大学選手権の日程が重なった。各球団がスカウトを各大会に分けて派遣する可能性は高く、だからこそ各地区の担当の見極めが重要になってくる。将来のチームを支える逸材獲得へ、スカウトはできる限りを尽くしている。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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