【スポーツ】来年の主役に名乗り!明生目指すは「三役になって優勝争い」

 大相撲のネクストブレーク候補、幕内明生(24)=立浪=が「来年の主役になる」と意気込んでいる。

 今年、地力を蓄えた若手の1人だ。夏場所と秋場所で2度、2桁勝利。秋場所では優勝争いを演じた。

 一方で初の上位総当たり戦となった名古屋場所は4勝11敗と完敗。自己最高位、前頭2枚目で迎えた先場所の九州場所は序盤、4勝1敗と好発進しながら、終盤、失速し6勝9敗。上位の壁に2度、跳ね返された。

 先場所千秋楽、宝富士に上手出し投げで敗れた際は珍しく悔しさをあらわにした。「自分の弱さを知った。悔しい、しか出て来ない」。地元の鹿児島・奄美大島から両親も観戦に来ていた。「最後を締めたかったし、自分のやってきたものを出せずに負けた」。

 課題が明白になった1年だ。

 「自分がダメなところが分かった。上位で相撲を取れた。2回目の(上位)挑戦で勝ち越すのが理想だったけどまた足りないものが分かった。(先場所の)後半は思うように体が動かなかった。疲労なのか。体が重かった。気持ちはあっても体と足が付いてこなかった。初めての体験だった。スタミナはなくはない方なのに。これが上位の圧力」

 上位との差を埋める自信を今年は身につけたのも確か。「誰が相手でもどんな状況でも自分のやりたいことをやる精神面が一番。技術的にもいろんな欠点が見つかった。来年、そこを直せば一つ上が見えてくる。上位は立ち合いの鋭さがある。さらに『型を持ちながら型にはまらない強さ』がある」。自分の形でなくとも勝ちに結び付ける強さを身をもって知った。

 毎年、目標を立てて成長し続けててきた。今年の目標「上位戦を経験」はクリアした。来年は「三役になって優勝争い」と、明確に言葉にして掲げた。

 新入幕以来、「優勝」を常に意識する。「優勝を経験すれば、レベルアップできる。優勝に絡んでいく実力があれば、自然と関脇になっている。三役というより、その上。三役で優勝。目標というよりならないといけない。早い段階で経験することが頭一つ抜け出すことになる。誰かと比べるというより、(来年は)自分が主役になりたい。来年は25歳になる。もう中堅。若手じゃない」。新時代スター争いの主役に名乗りを挙げた。

 今では少なくなってきた中卒のたたき上げ。腰のヘルニアで一時は引退も覚悟したが、克服してはい上がった。苦労人で努力する姿を周囲は見ている。巡業でも連日、土俵に上がり人一倍、稽古を重ねる。白鵬(宮城野)、鶴竜(陸奥)の両横綱も成長に注目。親方衆も「稽古で身につけた」と評価は高い。左四つに組んで速攻、突き押しも強い。何より稽古熱心なのが、さらなる成長を確信させる。

 「稽古してきた人が優勝しているのを見てきているので。自分は不器用なので稽古をやらないと強くならない。(番付が下がる)初場所が勝負になる」。

 昨年は大関貴景勝(千賀ノ浦)が九州場所を制した後、一気に駆け上がった。今年は小結朝乃山(高砂)が夏場所で初優勝後、大躍進。ともに豊富な稽古量で知られるだけに、明生にも、期待がかかる。(デイリースポーツ・荒木 司)

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