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【野球】“大型若鷹”砂川リチャードが「メチャクチャ意識」する王貞治会長の指令

 台湾へ行ってきた。目的の一つは当地の味全ドラゴンズに所属する川崎宗則内野手兼任コーチに会うことだった。およそ2年ぶりの再会。笑顔で「相変わらず楽しんでますよ!」と快活に話すムネリンはちっとも変わっていなかった。色々ツラい時期もあったと思う。「野球は十分やり切ったよ。いつ辞めてもいい」なんて笑っていたが、本当に不可能になるまでグラウンドに立つことは諦めないのだろうと感じた。

 到着2日前に台湾ではウインターリーグが開幕。川崎はその初打席でいきなり左翼線にヒットを放っていた。「良い打ち方だったんだよ」。技術は錆びついていない。しかし、一塁到達前に右太もも裏を痛めてしまい交代した。滞在期間中に生でプレーを見ることは叶わなかった。

 ちょっと残念だったが、もう一つの目的は担当するソフトバンクの“若鷹”たちを取材することだ。7人の期待の若手が武者修行を行っているが、そのうちの一人が大ブレイクを予感させる活躍を見せてくれたおかげで、ウキウキ気分で旅を終えることが出来た。

 背番号127、20歳の砂川リチャードだ。全国的な知名度はまだゼロに等しいだろう。しかし、とてつもないパワーの持ち主だ。ウインターリーグでソフトバンク組の所属するNPB紅を率いる、ソフトバンク藤本博史三軍監督は「飛ばす力だけならば柳田に匹敵するよ」と太鼓判を押す。身長188センチ、体重114キロの体格を見れば納得だ。しかも右打ちの内野手。「マッチ(松田宣浩)の後釜を狙ってほしいね」と藤本監督は言葉を継いだ。

 24日の開幕2戦目でさっそくウインターリーグ1号を放った砂川は、5試合目だった29日の試合でも台中インターコンチネンタル球場の左翼席最上段へ豪快な本塁打を放った。試合前は「今日は逆風が凄すぎてボールが飛ばない」と泣き言を吐いていたのが嘘のような、規格外の打球スピードだった。

 「3試合に一本と言われていますからね。メチャクチャ意識しています」

 そのノルマを課したのは、ソフトバンク王貞治会長だった。今春のキャンプからB組のグラウンドに足を運んで視察をして注目をしていた。秋季キャンプ中も直接指導。その際に、自身が現役時代に3試合で1本塁打を目安にしていたことから砂川に“宿題”を出した。「達成できたら、何かやるよ」ともプレゼント予告もあったようで、砂川は俄然やる気になっているわけである。

 「今はタイミングを崩されても、自分のスイングが出来る。変化球に対応できるようになりました」

 藤本監督は今後も砂川を4番で起用し続ける方針だ。5試合を終えた時点で打率5割、2本塁打、9打点。昨年の同リーグで4本塁打、15打点で二冠王となったヤクルト村上はシーズンで36発、93打点と大きく飛躍した。若手主体の武者修行と侮るなかれ。砂川がどれほどの成績を残せるか。まずは来季への試金石として楽しみにしたい。(デイリースポーツ特約記者・田尻耕太郎)

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