【野球】巨人・鍵谷「野球人として」地元北海道へ届けたい思いとは…

 シーズン後半戦を迎えたプロ野球。セ・リーグは独走態勢に入った巨人が着々と補強を行い、5年ぶりの優勝への戦力を整えている。日本ハムから鍵谷陽平投手、藤岡貴裕投手、新外国人・デラロサ投手を獲得。日本ハムから移籍した鍵谷は地元でもある北海道を離れたさみしさを振り払い、新天地でも北海道のファンに野球の魅力を届けようと、張り切っている。

 16年には48試合に登板し、この年の日本ハムの日本一に貢献した。出身地は北海道の函館から北へ進んだ人口2万8000人ほどの七飯町で、北海高時代は3年で夏の甲子園に出場した。快速球が持ち味のどさん子右腕として、地元ファンも多かった。トレード直後はまさかの思いもあったというが、今や巨人の優勝のためにと気持ちを切り替えた。「やっぱり、日本で一番で伝統のある球団ですし、こういうチームで野球人として優勝に貢献できたらうれしいことです」と前向きに話す。

 地元への思いが強い右腕は野球人口の減少を食い止めるべく、いい結果を残すと意気込む。17年には母校の七飯中学校を訪問し、後輩野球部員とキャッチボールなどでふれ合った。練習後は函館の人気ハンバーガーショップ「ラッキーピエロ」ハンバーガーを部員に差し入れし、ハンバーガーをパクつきながら、野球の楽しさを伝えていた。「僕らの時代は1学年、10人以上普通に部員がいて、野球をするのに苦労はなかった。今は、母校も部員減少で大変みたいです。なんとか野球人口を増やしたいと思っているんです」と、切実な表情で話す。少子化、過度な首都圏への一極集中が進むせいで、七飯中学校に限らず、地元地域の中学校野球部は9人集めるのに必死、連合チームでの出場もでてきたことに先行きを不安視する。

 巨人ブランドを生かして、野球の面白さを届けたいという。北海道は今や、圧倒的に日本ハムファンの土壌となっているが、鍵谷が子どものころは、地上派での野球中継は巨人戦だった。「小学校のころは父親が見ていた巨人戦の野球中継を一緒になって見ていました。松井(秀喜)さんや上原(浩治)さんの活躍はもちろん覚えています」。当時の巨人の選手の活躍は目に焼き付いている。憧れの球団に入団できた思いに誇りを持ちつつ、過疎化の進んでいく地元七飯町の活性化へ、喜んでもらえるよう、後半戦、活躍すると意気込んでいる。(デイリースポーツ・水足丈夫)

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