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【スポーツ】新幹線の車内販売員から華麗なる転身…女子キックの白築杏奈、2度目の世界奪取!

世界王座のベルトを肩にかけて笑顔の白築
ISKA世界戦で強烈なローキックを浴びせる白築(提供・NJKF西日本本部)
ジムに通う子供たちと写真に収まる白築(右は西田代表)
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 広島県廿日市市在住の女子キックボクサー、白築杏奈(34)=138Kickboxing Club=が4月21日に岡山市で行われたISKAムエタイ女子アトム級世界王座決定戦に勝ち、自身2度目となる世界チャンピオンの座に就いた。同級2位のスペインの選手と対戦し、2回1分42秒、右ローキックによるレフェリーストップで鮮やかなTKO勝ちを収めた。

 「作戦通りに動けました。1Rから蹴りを多めにしたら、相手も嫌がっているのが分かったので徹底的に攻めていった」。17年10月のWPMF女子世界フライ級王座獲得(18年12月に陥落)に続く2度目の世界奪取。全国から応援に駆けつけたファンと一緒に喜びを爆発させた。

 高い身体能力を武器に世界の頂点に君臨するキックの女王。しかし、サッカーやソフトテニスをしていた学生時代は目立った成績は残していない。高校卒業後は新幹線の車内販売の会社に就職。販売員として毎日、新大阪-博多間を往復していた。22歳の時、運動不足解消のために現在の所属ジム(当時は格闘技サークル)に週2日通い始めたが、男子選手の試合を応援するうちに、自身もキックボクシングの魅力にはまり、選手になることを決意した。

 練習時間を確保するために、夜勤や泊まり勤務があった車内販売の会社は退職。アルバイトしながらプロを目指した。10年にプロデビューを果たすと、16年7月には日本タイトルであるNJKFミネルヴァライトフライ級王座を獲得し、初防衛にも成功した。その勢いに乗って、翌年には世界チャンピオンまで上り詰めた。

 キックボクサーの宿命とはいえ、全身の生傷は絶えない。「あばら骨のひびはしょっちゅうだし、顔の骨が折れたこともあります。ただ、競技を続けているうちに打たれ強くなるというか、だんだん痛みに慣れてくる。試合中はアドレナリンも出ているので、そんなに痛みを感じないんです」と笑う。

 所属ジムの西田智成代表(42)は白築について「頑張る才能がだれよりもある。そして頑張った結果、体の強さやスピード、パワーなどフィジカル面がすごいことになった。日本人選手ではちょっと考えられないようなレベル。世界を取ってからは別次元の強さになっている」と語る。

 現在は、昼間は練習に励み、夕方からはトレーナーとしてジムに通う社会人や子供たちを指導している。東京や大阪など都会のジムに所属せず、練習環境やマッチメークでハンディも多い広島に拠点を置いていることについて白築は「地方のジムからでも世界チャンピオンになれることを示したかった。地方で頑張っている他の選手の励みにもなれば。いずれは私を超える選手が出てきてほしい」と話した。キックの女王は、これからも地元広島でさらなる高みを目指していく。(デイリースポーツ・工藤直樹)

 ◆白築杏奈(しらつき・あんな) 1984年5月23日生まれ。広島県廿日市市出身。廿日市西高卒。広島市佐伯区のキックボクシングジム「138Kickboxing Club」に所属。10年にプロデビューし、16年にNJKFミネルヴァライトフライ級王座獲得(防衛1)、17年にWPMF女子世界フライ級王座獲得(防衛0)。今年4月にISKAムエタイ女子アトム級世界王座を獲得する。身長165センチ。戦型はオーソドックス。趣味は釣り。好きな食べ物はスイーツ。家族は母と兄、妹、弟。

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