【野球】あの夏の連覇から14年…指導者として再び輝きを放つ駒大苫小牧V2メンバー

 57年ぶりの夏連覇を決め、マウンド上で喜びを爆発させる駒大苫小牧の選手=05年8月20日、甲子園
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 04、05年に北の大地へ深紅の優勝旗を運んだ駒大苫小牧のメンバー2人が再び注目を浴びている。駒大・林裕也コーチと札幌大谷・五十嵐大部長。高校時代にはともに2年生からレギュラーとして戦った同級生が、それぞれ指導者として尽力している。

 林氏は駒大苫小牧時代、04夏の甲子園で横浜・涌井秀章(現ロッテ)からサイクル安打を放つなど北海道勢初優勝に貢献した。続く05年夏には主将として引っ張り甲子園連覇。卒業後は駒大、東芝で活躍し、いずれも主将を務めた。

 昨季限りで現役を引退すると、1月1日付で母校である駒大のコーチに就任した。昨年の時点で、「僕もけっこう年もいってきてるんで。そういう何か指導するっていうのはすごい興味がある」と吐露。心の準備はしっかりとできている。

 駒大は昨季、立正大との優勝決定戦に敗れ頂点を逃した。14年秋以来リーグ制覇から遠ざかる。19日の創部70周年記念祝賀会では、あいさつ回りに奔走。多くのOBから声も掛けられ、母校の再建への期待は大きい。林氏が在籍した08年には2部降格も経験。酸いも甘いも知り尽くした男の手腕に、目が離せない。

 一方の五十嵐氏は筑波大に進学し、首都大学野球リーグでプレーした。11年から地元である札幌大谷(北海道)のコーチに就任し、13年から部長。昨秋、09年創部の新興チームを神宮大会初優勝に導いた。

 エースの西原健太(2年)は五十嵐氏から駒大苫小牧の大エースだった田中将大(現ヤンキース)について、「とにかく気持ちが強い人」だと伝えられたと明かしている。高校時代に味わった経験を惜しむことなく、チームへ注入している。25日には今春のセンバツ出場が決定。神宮王者を引き連れて、甲子園へと帰ってくる。

 林氏と五十嵐氏は、昨秋の神宮大会で顔を合わせたという。「同じ場所(立場)で」と互いに教える身となったことに対し、感慨に浸った林氏。駒大苫小牧時代に2人の1学年上で、初優勝時の主将・佐々木孝介氏も母校を率いて昨春のセンバツに出場した。北の大地を沸かせたV戦士たちは、指導者として再びアマチュア球界を盛り上げている。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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