【野球】東都1日3試合5週制で変革なるか 第3試合はナイター、狙いは観客増

 “戦国東都”が改革への道を進もうとしている。東都大学野球連盟は11月28日の監督会で1部リーグ戦において来春からの1日3試合5週制が提案され、5日の理事会で承認された。今後は使用する神宮球場からヤクルト球団や東京六大学野球連盟へ申し入れし、承認を得て正式に決定する。

 リーグ戦運用方法の見直しの大きな理由に瀬尾健太郎事務局長は「活性化案の1つ」として、観客増加の狙いを挙げた。1日3試合の開始予定時刻は現段階で第1試合11時、第2試合14時、第3試合17時を見込んでいる。

 1日3試合制によって、その日のラストゲームはナイター開催となる。平日開催が続く中、講義終わりの学生や仕事終わりの大学OBらが足を運びやすくなることを期待。正式決定となれば第3試合対象の割安チケット導入を計画するなど、興行面の工夫も忘れていない。

 悩ませ続けられてきた課題解決の糸口にもなり得る。同じ神宮球場を使用しリーグ戦期間が重なる東京六大学の日程がずれ込んだり悪天候が続いたりすると、未消化試合が発生していた。今秋リーグ戦でも6日11試合が中止。第7週の10月16、17日には、未消化となっていたカードを含めて1日3試合と日程再編を余儀なくされた。

 プロ側への“配慮”も必要になっていた。第3週の9月20日には第1試合を消化しながら、第2試合・亜大-東洋大2回戦は試合前に中止。両チームはすでに神宮球場で待機していたが、午後以降の悪天候予想とナイターでプロ野球が控えていたためグラウンド状態を悪化させないようにという苦渋の決断だった。

 従来の1日2試合8週制から1日3試合5週制への転換が実現すれば、予備週を設けることができる。現行案として瀬尾事務局長は「プロ併用日をなくす方向」とスムーズなリーグ戦運営を目標に掲げた。関東圏から長時間のバス移動で神宮へ向かうチームや学生の負担減となる可能性も十分ある。

 ルールの改革に着手していく動きもある。リーグ戦運用方法変更の提案に伴い、タイブレークについても検討された。導入可否は来年1月の監督会へ持ち越し。延長戦の試合時間なども含め、特別規則の改正は今後も慎重に話し合われる。

 タイブレーク賛成派の意見としては、「試合時間をつかめるようにしたい」という現場の声が上がった。さらに勝ち点制で並んだ場合は勝率で順位が争われる現状、引き分けよりも「結果を出してあげたい」と学生を気遣う意見もある。一方の反対派からは「タイブレークなしでも(日程を)消化できていた」と、1931年の連盟結成からの伝統を重んじる考えが出た。

 亜大・生田勉監督は「時代の流れ。東都の活性化になれば」と一連の改革を前向きに捉えている。東都としては来春から実際に1日3試合5週制やタイブレークが導入された場合でも、ブラッシュアップして来秋以降に改善していく姿勢だ。

 結果的に見送られたが、2015年に1、2部の統合も検討した経験もある。今春からは他大学連盟の審判派遣を受け入れた。リーグ発展のため、変革を恐れない“戦国東都”から目が離せない。(デイリースポーツ・佐藤敬久)

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