【野球】巨人・原監督 岡本への“禁煙指令”の真意

 期待が大きいからこその“ゲキ”だった。巨人・原辰徳新監督が23日、就任会見で岡本和真内野手について言及。さらなる飛躍への条件を問われるとニヤリと笑い「まず、たばこをやめることだね。彼、たばこを吸っているらしいね」と、まさかの“禁煙指令”を出した。

 プロ野球界での喫煙率は、世間で思われている以上に高いかもしれない。過去には巨人史上最強の助っ人といわれるクロマティが、来日して驚いたことに「日本選手の喫煙率の高さ」を挙げたほど。その後、巨人では嫌煙家の桑田真澄が球団に要望し、移動バスの分煙化を導入。確実に喫煙率は下がっているものの、ゼロではないのが現状だ。

 名球会に入ったような名選手にも愛煙家はいるだけに、喫煙が成績に直結するかは不明。原監督自身もかつては喫煙者で、07年シーズンの試合後の会見ではチームが敗れ「タバコが吸えるなら、1本吸ってから話したい心境」と冗談まじりに語ったこともある。

 ただ、世間ではアスリートとたばこのイメージはかけ離れているのが現実。原監督は岡本に禁煙指令を出した理由を「青少年の育成、夢を追いかけるという点で」と、説明した。プロ野球史上最年少で3割30本100打点を達成した岡本は、巨人に現れた待望のスーパースター候補。ファンのイメージそのままの、スター選手に育てたい考えだ。

 また、原監督は別の理由も挙げ「自分が変わっていく、あるいは自分を新しいステージにあげる。目標に置くということはそういうこと」とした。09年にも、原監督は頭角を現してきた東野峻に禁煙指令を出したことがあり、その際には「アスリートとして、たばこをやめられない、彼の意志の弱さ。強くならないと」と語ったことがある。厳しいプロの世界で必要な意志の強さ。禁煙もその一環で、まだ若い岡本にその意識を植えつけさせたいのだろう。

 来季、岡本は他球団から徹底マークされることは確実。原監督は「プロの世界というのは今年が良かったから来年もという甘い世界ではない。高橋監督の勇気ある決断のなかで4番を任せた。日本を代表するバッターになるべく、向き合って戦いたいと思います」と語った。原監督自身が入団に導き、高橋前監督が覚悟を持って起用し続けた逸材。愛情を注ぎ、スーパースターへ育て上げていく。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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