【野球】巨人、Aクラス確保へ最終手 ノーノー男・山口俊の守護神起用

 最終盤の戦いに突入した巨人が“アキレス腱”の解消へ、大きな決断を下した。残り30試合を切っても安定化に至らなかった終盤を担う救援陣。高橋監督は勝負手として、先発で8勝を挙げ、7月にはノーヒットノーランを達成した山口俊の守護神起用を選択した。

 「正直、なかなか思うようにいっていないところなので。経験もあるし、役割的には間があいているかもしれないけど、経験を力に、こちらは何とか頼りたいなと」

 指揮官は、苦悩の末の決断を強調した。今季、上原、沢村、マシソン、カミネロの4人を勝利の方程式に据え開幕した。だが、上原が4月に不調で外れ、6月末にはカミネロが救援失敗続きで登録を抹消。7月中旬にはマシソンは左膝痛で離脱した。カミネロはその後、右肘痛を発症。助っ人2人は9月上旬に日本を離れた。

 代役も思うように機能しなかった。春先から2軍で守護神を務めた育成のアダメスを6月中旬に支配下登録。沢村が不安定なことから、8月中旬から守護神に抜てきしたが、4戦連続失点中。シーズン中の補強もままならず、不安は解消されないまま、首脳陣は苦しいやりくりを余儀なくされてきた。

 その中で山口俊の抜てきは“最後の一手”とも言える。DeNA時代には通算111セーブをマーク。経験豊富な右腕に試合の最後を託す。指揮官から「経験も力もある。何とかやってもらいたい。頼む」と言い渡されたという右腕は「勝負球を投げ込んでいくだけ。短いイニングなので、入り方さえ間違えなければ大丈夫」と意気込みを示した。

 終盤の七、八回を沢村、上原、アダメスで乗り切り、最後は山口俊で締める。残り試合は20試合を切った。試行錯誤を続けた末に固めた勝利の方程式の“最終形態”で、Aクラス確保への戦いに臨む。(デイリースポーツ・野畑圭司)

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