【サッカー】ポドルスキもイニエスタも不要!?神戸の新布陣2トップが機能

 布陣変更が的中した。J1神戸の吉田孝行監督(41)は12日のアウェー磐田戦で今季リーグ戦では初めてとなる4-4-2を採用。2トップに配置されたFW渡辺千真(31)とウェリントン(30)が揃って得点を挙げ、5試合ぶりの勝利を飾った。

 トップ下を担っていた元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキ(32)が2日のFC東京戦で負傷。左腓腹筋肉離れで全治8週間と診断され一時帰国した。6日の広島戦では高卒新人のMF郷家友太(18)に代役を託したが、0-2で完敗。指揮官は布陣見直しに踏み切った。

 「準備してきたプランを選手が実行してくれて得点が生まれた」と吉田監督が振り返ったように、神戸の戦術は徹底されていた。高めに設定された磐田のDFラインを目掛け、シンプルにボールを放り込んだ。188センチのウェリントンが高さで脅威を与え、渡辺は裏に抜ける動きで攻撃に深みを持たせた。特に前半は相手を圧倒。早々の2得点で試合を優位に進めた。

 6試合ぶりのゴールを決めた渡辺は試合後、「このメンバーだとこのシステムの方がいいかなと思っていた。チームとして2トップの試合をやっていない割には良い形を出せた。2トップでもやれるところは見せられたかなと思う」と手応えを口にした。

 今季はボール保持を目指してきた神戸だったが、磐田戦では理想よりも現実を追った。チームの狙いは統一され、ポドルスキ不在が奏功したと言ってもいい形だった。「神戸とFC東京の2トップは今、日本でもトップじゃないかな。『この2トップでやっていけば良かったのにな』と孝行に言いました」という名波浩監督(45)のコメントには実感が込もっていた。

 回復が順調なら、ポドルスキはW杯中断明けとなる7月18日の長崎戦にはピッチに戻っており、再びトップ下が復活することになるだろう。さらに神戸はスペイン代表で同国1部リーグ、バルセロナを今季限りで退団するMFアンドレス・イニエスタ(33)の獲得にも迫っている。2人の世界的名手の競演には自然と期待も高まるが、攻撃のオプションとしておくには惜しいほどに、この日の2トップは機能していた。(デイリースポーツ・山本直弘)

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