【スポーツ】驚異の75歳グレート小鹿 強さと健康の秘密は?

 プロレスほど選手寿命の長いスポーツはないと言われる。その言葉を、この男ほど体現しているレスラーはいないだろう。デビューから54年の75歳、日本現役最年長レスラーである大日本プロレス会長のグレート小鹿だ。

 その超ベテランが、27日に行われた全日本プロレスの両国国技館大会で年齢を感じさせないコンディションと闘志を見せつけた。優勝すれば、自身が持つ73歳2カ月の日本史上最年長記録を更新する75歳4カ月でのタイトル奪取となる16人参加のバトルロイヤルで争われた!BANG!TV世界ヘビー級選手権試合。小鹿は同じ大日本のアブドーラ小林のアシストを受けながら、クレバーな立ち回り、75歳としては驚異的と言えるスムーズでパワフルな攻撃を見せて生き残り、王者の西村修との一騎打ちにこぎ着けた。

 小鹿は45歳で文京区会議員でもある西村のエルボー連打に一歩も引かず張り手で応戦し、得意のチョーク攻撃を仕掛けたが、そこに西村の師匠である76歳のドリー・ファンクJr.がエプロンサイドに登場。小鹿はその存在に気づいて抗議すると、背後から西村に丸め込まれて敗れてしまった。

 あと一歩のところで29年ぶりに立った古巣全日本のリングでの王座奪取を逃がした小鹿はインタビューで「後味が悪い。もう少しだったのにな」とガックリ。それでも、「またチャンスをもらって、あのベルトをもらう。悔しい。10回言っても悔しい。どうにかしてチャンスをもらって、また全日本のリングに帰ってきたい」とリベンジへの執念を口にした。

 それにしても、この元気はどこから来るのだろうか。小鹿が「それはオレにマッチしたトレーニングをして、飲み物食べ物で栄養を補給すること」と説明すると、隣にいた小林が「赤ちゃん用の粉ミルクを飲んでるんですよ、細胞が活性化するからって」と付け加えた。他にも動脈硬化の予防、アンチエイジングなど多くの効果かあると言われているオリーブオイルを4、5年前から飲んでいるといい、小鹿は「毎日。1日で築けるものじゃない」と強調した。

 そして、無理をしないトレーニング。腹筋運動などは「年を取ると、若いヤツがやる腹筋をしたら腰を痛める。だから腰を痛めないような腹筋を考えてやっている」という。一般的なあおむけの状態から上半身を起こす方法ではなく、あおむけの状態から足を上げたり、足を交差するなど、独自の方法を工夫している。その効果は、小林も「(小鹿は)腹筋がいいですよ。軸がしっかりしている。(小鹿の腹筋運動は)ボクらがやると体の芯にくる。いわゆる体幹ですね」と認めるほどだ。

 無理をせず、自分に合ったトレーニングと食事を続けることが小鹿の強さと健康の秘密。うなずかされることばかりだったが、最後に小鹿は次のように話した。

 「食欲はありますよ。(体重140キロの)小林選手には負けるけどね。彼は5キロのステーキを食べるけど、オレは3キロしか食えない」(デイリースポーツ・洪 経人)

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