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【野球】元G戦士・杉山氏は今…プロダーツ選手転身で奮闘中

 プロ野球界から異色の競技へ転身した元G戦士がいる。09年から3年間、育成選手として巨人に在籍していた杉山晃紀氏(26)。現在、プロダーツ選手として活躍中だ。

 華々しく映るプロ野球界で、脚光を浴びずに去っていく選手は少なくない。杉山氏もそのひとりだった。本格派右腕として素質を評価され、育成ドラフト1位で入団。だが2年目のオフ、骨髄に空洞ができて液体がたまる「骨嚢腫(こつのうしゅ)」を腰部に発症して手術。2軍でも思うようにプレーできず、11年に戦力外通告を受けた。

 覚悟は決まっていた。「今年でクビになるかなあ、って何となく分かるんですよね。次は何をやろうかなあと考えていた時、プロダーツ選手のことは頭にありました」。巨人時代から寮の近くにあるダーツバーに通い、趣味として没頭。寮の部屋にディスカウント店で購入したダーツボードを設置し、気がつけば深夜までダーツを投げていた日もあった。

 「深夜2時とか3時にコツコツ、コツコツ。『何の音?』って、寮内で怪談話みたいにうわさが広がりました。後ろにタオルをかませて対策したんですが、響いてしまって…」。苦笑いを浮かべて振り返るが、引退前の時点でダーツの実力もプロ級だった。

 引退から1年後の12年11月、ダーツのプロテストに合格。同年末からデビューした。年々、レベルも上昇。プロトーナメントではベスト16が最高実績だが、今年は11試合に出場して予選通過は10度。2月の大会では、自身2度目となるパーフェクト賞も達成した。

 ただ、待遇面ではプロ野球界とは雲泥の差だ。杉山氏が所属するプロ団体「PERFECT」には、1000人超の男子選手が所属。賞金1000万から2000万を稼ぐトッププロもいるが、ダーツだけで生活できるのはほんの一握り。杉山氏も都内のダーツバー「Loop+赤坂店」に勤務しながら、大会に備えて練習する日々を送っている。

 「難しいですね。ジャイアンツでプロを経験したからより感じます。2軍でも球団のバスがあり、駅に集合すればチケットがもらえて。でも、今は自分でエントリーして宿を取って。しんどい思いで遠くまで遠征し、予選敗退している場合ではない。スポンサーさんにもついていただいているので、責任感も重圧もありますし、結果で返したいという気持ちは強いです」。

 巨人では、2軍で一緒に汗を流した中井や橋本到らが1軍でプレーしている。「同世代は応援するし、注目もします。活躍はうれしいし、うらやましい気持ちもあります」。

 かつての仲間に刺激を受けながら、挑戦を続ける毎日。「まずはベスト8、ベスト4ですね。自分が活躍することでダーツの世界、魅力がもっと多くの人に広がればいいなとも思います」。野球界からダーツ界へ転身した先駆者として、トッププロへの階段を駆け上がる。(デイリースポーツ・佐藤啓)

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