【野球】家族への思いを胸に…支配下登録勝ち取った巨人・増田大輝

 日焼けした精かんな顔つきが一層、引き締まった。28日、都内の球団事務所。青山誠外野手(25)とともに育成から支配下契約を勝ち取った巨人・増田大輝内野手(24)は、通告された時の心境を問われ「不安なところがたくさんあったので、ホッとしたのが一番。やっと第一歩が踏み出せた」と言葉に安堵感をにじませた。

 2015年オフの育成ドラフト1位で入団し、今季が2年目。昨秋のキャンプではメンバー入りを果たし、今年のオープン戦でも1軍選手に交じってプレーした。開幕以降は2、3軍の試合で堅実な守備と打撃でアピール。鹿取GMは「すべてにおいて向上した。結果を出したというところに、努力した証が出た」と評価した。

 離れて暮らす家族の存在が支えだった。入団前の2015年2月に優香さん(24)と結婚し、同9月には長男が誕生。入寮と同時に、家族は徳島県阿波市、自身は東京で暮らす日々が始まった。「メンタルの面で少しつらい時があったが、テレビ電話とかをして、癒やされて」。一家の主(あるじ)としての責任感で、自らを奮い立たせてきた。

 今回の支配下契約を電話で「決まったよ」と伝えた際、愛妻は泣いて喜んてくれたという。その後、LINEで「家族のために頑張ってくれてありがとう」とも。支配下契約となったことで、家族と暮らす道筋も見えてきた。

 2013年に近大を中退し、故郷の徳島へ。四国ILp・徳島で野球を再開するまでの間、とび職も経験した異色の存在だ。「バント、バスター、右打ち…。チームバッティングを大事にやっています」。支配下がゴールではない。大型補強ばかりが話題となっている今季の巨人。家族への思いを胸に、決して多くはないチャンスに挑もうとしている。(デイリースポーツ・野畑圭司)

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