【芸能】朝ドラ「ひよっこ」に意外な視聴傾向 土曜日視聴率が高くヒットの予兆も

 今月3日にスタートしたNHK連続テレビ小説「ひよっこ」。初回視聴率が19・5%となり、2013年前期の「あまちゃん」以来8作連続で続いていた初回視聴率の20%超えが途切れた。その後は19%台で安定しているものの、20%を超える日が少ない。だが、そんな中でこれまでにない意外な視聴傾向があるという。

 NHKの朝ドラは、総合テレビで月~土曜日の午前8時より放送されている。平日の朝のルーティーンや、時計代わりに視聴する人もいるため、視聴率は月~金曜日が高く。土曜日には落ちる傾向がある。だが「ひよっこ」では、それと異なる流れがあるという。

 現在、放送は4週目。実は3週目までの傾向として、土曜日視聴率が高くなっている。月~金曜日は19%前半が多いが、放送した3度の土曜日で2度は20%超。番組としても20%超は3度しかない中での結果。NHK関係者も「まだ始まったばかりで何とも言えないが、興味深い傾向」と今後の行方に注目している。

 先日、木田幸紀放送総局長が定例会見で、「ひよっこ」の視聴率がスタートからなかなか上昇していかない現状だが「火山のマグマだまりにマグマがだんだん詰まってきていて、ぐつぐつといっていて、いずれ噴火する機会をうかがっているのが今かなという気がしています。大噴火してくれるのを期待しています」と今後の上昇を予告した。

 ちなみに20%割れとなったスタートだが、これは意外と吉兆でもある。

 最近20年間の朝ドラのスタート時と番組終了時の平均視聴率を見ると、低調な数字でのスタートながら、その後大きな話題作となったケースは何度もある。

 今回と同じ岡田惠和(58)氏が脚本を務めた01年前期の「ちゅらさん」は初回視聴率は21・3%。今では20%超えは上々のスタートだが、「ちゅらさん」の前後の作品の初回は、23%以上の数字をたたき出しており、谷間のような低調なスタートだった。それが途中から人気が上がり、視聴率は上昇。最高視聴率29・3%を記録。番組からゴーヤーマンなどのヒット商品が生まれるなど社会現象にもなった。

 ほかにも11年後期の「カーネーション」は、16・1%のスタートながら、回を追うごとに視聴率は上昇。平均視聴率は07年前期の「どんど晴れ」(19・4%)以来の19%台となる19・1%を記録。最高視聴率は25・0%で、03年前期の「こころ」の26・0%以来となる25%超となった。

 「どんど晴れ」の数字を見ても、初回が14・9%のスタートながら、盛り返して平均が19・1。最高視聴率は24・8%と、前後の作品では際だって高い数字を記録している。

 実は、NHKの関係者の間でも、この“初回神話”は話題となっている。特に「カーネーション」の躍進ぶりは、大きな指針となっているようで「カーネーションは内容はいいと評判だったのに、最初は数字に結びつかなかったけど、その後、上がっていった」との声が聞かれる。

 「ひよっこ」も、ここ数年続いた20%超のスタートとはならなかったが、木田総局長も「寄せられる反響を見ていますと、ドラマの内容については好評をいただいているという手応えがあります」と内容への手応えはあるという。

 第5週となる5月1日からは、いよいよ有村架純が演じるヒロイン・谷田部みね子が集団就職で上京。物語の舞台は東京に移る。ここが噴火するタイミングとなるのか。新たな視聴率傾向ともども注目だ。=数字は関東地区、ビデオリサーチ日報調べ=(デイリースポーツ・栗原正史)

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