【芸能】X JAPANがゴジラ退治したワケ

 X JAPANのYOSHIKIが米・ニューヨークにあるクラシックの聖堂「カーネギーホール」で、ソロ公演を成功させた。2014年には同じニューヨークの、ロックの殿堂「マディソン・スクエア・ガーデン」でもバンドとして公演歴があり、アジア人としては初めて、米音楽の2大聖地を制覇した。

 今月中旬のカーネギー公演を現地取材。半年前からピアノ練習を重ね、昨年末のNHK紅白歌合戦でも楽屋にピアノを持ち込んで“追い込み”をかけていたというだけに、終演直後には達成感を漂わせ、「自分の中では大きな壁でした。やっと開放されて、普通の生活ができます」と安どの表情を浮かべた。取材中、多忙な年末年始を振り返ったYOSHIKIは、まだ記憶に新しい紅白での、“ゴジラ退治”を決意した理由を語ってくれた。

 ここで、紅白と映画「シン・ゴジラ」のコラボ企画をプレイバック。東京湾から上陸したゴジラが、紅白会場の渋谷・NHKホールへ向かう「ニュース速報」の映像が、紅白生放送中に差し込まれた。荒れ狂うゴジラを沈めるために必要とされたのが、「良質な歌」。ゴジラが会場に接近し、司会の嵐・相葉雅紀と女優・有村架純が、「とりあえず逃げますか」、「コレはまずいです」と慌てふためく(演技をする)中、X JAPANの出番直前だったYOSHIKIがステージで、衝撃的なひと言を静かに放った。

 「相葉さん、有村さん、僕たちが(ゴジラを)止めます」。歌唱曲「紅」のイントロをYOSHIKIがピアノ演奏したのに続いて、ボーカルのToshlが「ゴジラを倒すぜ!!やるときゃ、やるぜー」とシャウト。激しいロックの歌声とドラムプレイを響かせると、ゴジラが凍結し、日本が平和を取り戻す…というストーリーだった。

 当初、大みそかの紅白本番に向けて、X JAPANは12月30日にリハーサルを控えていた。だが、YOSHIKIだけは29日に予定していた香港のソロ公演が、商業用ライセンスの不備により開演直前に中止となった関係で、30日に現地でフリーライブを緊急開催することになり、帰国できず。紅白リハはYOSHIKIをのぞく4人でこなしたが、このときにNHK側からメンバーにゴジラ演出の詳細を説明されたという。

 芝居やバラエティーを普段こなしているバンドではないだけに、ゴジラ討伐の“決めゼリフ”をリクエストされたToshlは、「リーダーのYOSHIKIに相談しないと」といったんは返事を保留。その後、話を聞いたYOSHIKIが快諾したことで、昨年の紅白を代表する名シーンが生まれた。

 「楽しく、盛り上がれたらいいと思ったんですよ。エンターテインメントですから」。YOSHIKIはOKサインを出した理由を明かす。バンドのイメージとはかけ離れたパフォーマンスだったかもしれないが、思惑通り、視聴者に強烈なインパクトを与えたことは間違いない。

 昨今、テレビ番組に出ないことを“美学”とするバンドマンも少なくない。そんな風潮もある中で、紅白の仰天演出に参加したYOSHIKIは、X JAPANについて「余裕があるから」と胸を張った。日本だけでなく、世界を股にかけて積み上げてきた実績や人気は、簡単に崩れることはない-。そんな自信が感じられた。(デイリースポーツ・丸尾匠)

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