【スポーツ】新日本プロレス世界進出へ 英語でWWEに逆襲する 

 少し時がたってしまったが、4日に行われた新日本プロレスの東京ドーム大会は、今年もプロレス界最大のイベントにふさわしい盛り上がりを見せた。王者オカダ・カズチカがケニー・オメガの挑戦を退けたメインイベントのIWGPヘビー級選手権試合は46分を超え、オカダが「死ぬかと思った」と話すほどの激闘となり、観衆は昨年の大会を1千人近く上回る2万6192人を動員。そして、この大会は新日本の世界戦略開始を告げるのろしと言えるものでもあった。

 大会中には、7月に米ロサンゼルスでビッグマッチを行うことを発表。翌日には公式サイトに「2017年の展望」と題した記事を掲載し、海外へ進出する姿勢をはっきりと打ち出した。そして、この大会を見るために、公式動画配信サイト「新日本プロレスワールド」の海外の加入者が急増したという。

 とはいえ、プロレスはエンターテイメントの側面もあり、世界へ打って出るには言語の問題が一つの壁になると思われる。だが、新日本プロレスの木谷高明オーナーの考えは、意外にも「プロレスの場合は楽なんですね」とのことだった。

 その理由を「例えばアニメとかだと英語だけじゃなくて中国語とかも出さないといけないですが、プロレスは世界中、英語だけでいいんですよ。もともと英語圏で盛んでしたが、WWEが広げてくれた」と説明する。つまり、世界最大手団体の米WWEが市場を開拓したことで“英語のプロレス”が世界に普及した。新日本プロレスにとって、WWEは中邑真輔らスターを次々と引き抜かれるなど悔しい思いをさせられた怨敵とも言える存在。だが、そのWWEが切り開いた道が、新日本プロレスの世界進出への道になるということだ。

 すでに、この大会でも以前から行っている海外放送向けの英語実況だけでなく、演出にも英語が多く見られた。新日本プロレスのWWEへの逆襲とも言える世界戦略がどのような成果を上げるのか。その答えはトランキーロ!(スペイン語で「焦んなよ」の意味)おっと、これは英語ではなかった。(デイリースポーツ・洪 経人)

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