監督不在の星稜“10人”で初戦突破

 「全国高校サッカー選手権・2回戦、星稜0(5PK3)0鹿児島城西」(2日、NACK)

 2回戦16試合が行われた。前回準優勝の星稜(石川)は、先月26日の交通事故で負傷した河崎護監督(55)が不在の中、木原力斗ヘッドコーチ(27)が代行で指揮を執り、PK戦で鹿児島城西(鹿児島)を破って3回戦へ進出した。

 後半6分、FW森山(3年)が2度目のイエローカードで退場し10人となった星稜だが、そこから何度も積極的に攻勢をかけ、相手ゴールを脅かす。0-0で80分を終えてPK戦へ。後攻の相手が4本目を外すと、MF平田(3年)が5本目をきっちりと決め、3回戦に駒を進めた。

 試合前、河崎監督からは「心配しなくていい」と一言だけメッセージがあったという。それを伝えた木原監督代行は試合を終え、「監督が言い続けてきた通り、どんなときも一生懸命にやるだけ。選手は目の前の試合に集中していた」と振り返った。

 思わぬアクシデントも、選手たちはプラスにとらえている。キャプテンのDF鈴木(3年)が「監督がいなくても、自分たちができることを示したい」と語れば、FW森山も「監督が戻ってくるまで勝ち続けたい」と心強い。

 名将不在の中でも、愛弟子たちがその教えを体現する北陸の名門が、初の頂点を目指して好発進だ。

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