山本由伸でドジャース逆王手 崖っぷちで6回1失点 日本選手最多PS通算6勝目 ラスト1戦「いけと言われたらいく」

 「ワールドシリーズ・第6戦、ブルージェイズ1-3ドジャース」(31日、トロント)

 ワールドシリーズ(WS=7回戦制)は第6戦が行われ、ナ・リーグ覇者のドジャースがア・リーグ王者のブルージェイズを3-1で下し、3勝3敗のタイに持ち込んだ。先発の山本由伸投手(27)が6回1失点でポストシーズン(PS)日本勢最多の通算6勝目を手にした。大谷翔平投手(31)は「1番・指名打者」で出場し、3打数1安打。1日(日本時間2日)の第7戦でドジャースが勝てば2連覇、ブルージェイズは32年ぶり3度目の制覇を目指す。

 勝利が決まった瞬間、山本が万歳ポーズでベンチから飛び出した。佐々木と力強い抱擁を交わし、大谷とはハイタッチで喜びを分かち合う。WS史上初めて3人の日本人選手が同一チームで同時出場。力を合わせて大きな1勝をつかみ取った。

 本拠地ロサンゼルスで連敗し、背水の陣で迎えた第6戦。絶対に負けられない重圧の中、背番号18が敵地のマウンドに立った。課題に挙げていた初回。味方失策で走者を背負ったが、主砲ゲレロを決め球カーブで併殺打に仕留めて波に乗った。

 「今日は特に立ち上がりに集中し、いい入りができた。少しほっとする気持ちもあった」

 25日の第2戦で2登板連続の完投勝利。その2日後、延長十八回の死闘となった第3戦は登板こそなかったが、志願してブルペンで肩をつくった。前日は片道4000キロの移動もあり「疲れは少し感じていたが、投球自体は前回より良かった」。3点を先制した直後の三回に1失点。しかし、粘りの投球でその後は追加点を許さなかった。

 六回には先頭を打ち取った直後に米国旗を手にした男がフィールドに乱入するハプニングで間が空き「嫌な感じはあった」。2死から二塁打と四球で窮地に陥ったが、5番バーショをスプリットで空振り三振。「少し力が入りすぎていたので余分な力を抜いて、低く制球していけた」。修正能力の高さを改めて証明した。

 6回96球。七回も続投する気持ちでいたが、交代を告げられた。ロバーツ監督が「自身の役割を果たしてくれた」と言えば、女房役のスミスは「チームに必要な投球だった」とたたえた。PS4勝目。WSでは2勝無敗、防御率1・20をマークし、シリーズMVP最有力候補に挙がっている。

 最終第7戦は総力戦。すでに指揮官から登板がないことを伝えられている山本は言った。「いけと言われたらいくけど、できれば応援を頑張りたい」。崖っぷちの一戦で真価を発揮したエースの言葉に、会見場が大きな笑いに包まれた。

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