ドジャース新人捕手が明かした大谷翔平復活星の舞台裏「三回から先は僕に任せたいって言ってくれた」 築き上げた信頼関係
「ドジャース5-1レッズ」(27日、ロサンゼルス)
ドジャースの大谷翔平投手が今季11度目の投打同時出場で復帰後初勝利を手にした。自己最長5回、同最多87球を投げて2安打1失点。9奪三振も復帰後最多だった。
投手・大谷を支えたのは24歳の新人捕手ラッシング。シーズン4度目のバッテリーを「今夜のショウとのやり取りはこれまでとはちょっと違ったんです」と明かす。
この日の投球プランは「速球を配球の軸にするのは控えめにしよう」というもの。「もちろん、まったく速球を使わないわけではないですが、序盤は変化球中心でいった。それが結果的に後半、特に最後の2イニングで速球を活かす展開につながったんです」と胸を張った。
その言葉どおり、87球のうち、フォーシームとツーシーム、カットボールの速球系が30球だったのに対し、カーブ23球、スイーパー16球、スライダー7球、スプリット11球。裏をかく配球で相手打者を翻ろうした。
サイン交換にはいつも通り、電子機器「ピッチコム」を使用。「最初の数イニングはショウヘイが全球、サインを出していました」とラッシング。変化があったのは三回だ。
「三回にたまたま僕から1球だけサインを出したんです。それをきっかけにしてそこから先は彼が僕に任せたいって言ってくれたんです」。
三回といえば、両軍無得点の展開で1死から2番マルテへの初球、甘く入ったカットボールを左中間席へ被弾して1点を先制されたイニングだ。ベンチに戻った2人は投球プランについて意見交換。大谷が自分の肩に腕を回しながら言葉をかけてきた場面を振り返り、「お互いに信頼し合っていたと思います」とうれしそうに話した。
心残りはやはり先制点を許した場面。「今夜は1つだけ配球ミスがあり、それをホームランにされましたが、僕たちはそういう失敗から学んで、前に進んでいくんです。ショウとはすごく心地よくプレーできました」。ラッシングにとってこの日の勝利は1勝以上の価値があったことは間違いない。





