大谷翔平 メジャー最速164キロ!日本ハム時代の165キロにあと1キロ 復帰3度目登板は2回0封
「ロイヤルズ9-5ドジャース」(28日、カンザスシティー)
ドジャースの大谷翔平投手(30)は、カンザスシティーでのロイヤルズ戦に「1番・投手兼指名打者」で先発し、2回1安打無失点だった。投手に復帰後3度目の登板で初めて2イニングを投げ、メジャーの公式戦では自己最速となる101・7マイル(約164キロ)を記録した。打者では3三振を喫して4打数無安打に終わり、連続試合安打が5でストップ。チームも敗れて連勝が5で止まった。
大谷が投手としても進化の片りんをのぞかせた。一回だ。1死から安打と四球で一、二塁とされると、自然とギアが上がった。4番・パスクアンティノの内角に、約164キロの直球を投げ込み、二ゴロ併殺に仕留めてピンチを脱出。質の高い直球に「一つ良かったところかなと思う。進歩しているかなと思う」と手応えを口にした。
「(約164キロは)出しにはいってない。走者がたまって、どうしても1本打たれたくない気持ちになると、それなりの球速帯に投げにいってしまっている。今の段階でそこまで上げなくてもいいと思う自分と、ゲームの中なので先制点をあげたくないというバランスかなと思う」
日本ハム時代に165キロを記録しているが、メジャーでは22年9月10日のアストロズ戦でマークした、101・4マイル(約163・2キロ)の自己最速を更新。その一球には不思議な縁も重なった。パスクアンティノは、2023年のWBCにイタリア代表として出場。日本と対戦した準々決勝で、大谷の約164キロで空振り三振に倒れていた。この日の結果には「彼はスイーパーが好きだから、直球を3球続けたのは驚いた。いい仕事をしたね」と振り返り、「なんで2度も俺に最速のボールを投げたのか、彼に聞いてよ」と冗談を飛ばしたほどだ。
今回が投手復帰後3試合目で、初めて投げた二回はあっさり三者凡退で締めた。新人カグリオンからは縦に落ちる140キロ台のスライダーで三振を奪取。復帰後から積極的に投げるようになった新しい武器に「球速も良かったし、自分の投げたいイメージで落とせている」。この日の27球のうち20球がストライクで、直球の平均球速が159キロに達するなど制球に加えて球威でも圧倒した。
今回は“二刀流”再開後、初めて敵地で投打同時にプレー。そのため、表の攻撃で1打席目を終えてから登板という流れだった。打席では「いい結果を生むアプローチではなかった」と3三振で無安打に終わったが、完全復活を目指す道は始まったばかり。特に投手は「投げ方も含めて、まだまだ改善の余地はある」。2試合連続無失点の好投の余韻に浸ることなく、すぐに貪欲な言葉を続けた。




