山本由伸 復帰戦で4回1失点、8奪三振の圧巻投球!ロバーツ監督と笑顔でハグ 鈴木誠也を2打席連続K斬り 最速157・6キロ

 「ドジャース3-6カブス」(10日、ロサンゼルス)

 ドジャースの山本由伸投手が復帰登板に臨み、4回4安打1失点で降板。12個のアウトのうち8個を三振で奪う圧巻投球を見せた。上限60球の球数制限があった中、59球で4回を投げきり復活を印象づけた。

 山本の名前がコールされるとスタンドから歓声がわき起こった。初球、155キロのストレートでストライクを奪うと拍手も。ハップを2球で追い込み、最後はカーブで空振り三振に仕留めた。続くスワンソンにはカーブから入り、156キロのフォーシームで押し込む。最後もカーブで三振に斬った。

 2死無走者で打席に迎えた鈴木。4月の対戦ではノーヒットに仕留めていた中、スプリットで空振りを奪った。この日最速となる157・6キロでファウルを打たせて追い込むと、最後はアウトローのフォーシームで見逃し三振に仕留めた。

 悠然とマウンドを降りた山本。二回はベリンジャーを空振り三振。パレデスは2球で追い込んだが、左前に運ばれて初安打を許した。セットポジションからの投球に変わった中、ブッシュは空振り三振。ホーナーに中前打を浴びて得点圏に走者を背負うと、クロウアームストロングは一ゴロに打ち取ったかに見られたが、一塁・フリーマンがイレギュラーバウンドに対応できず、強襲内野安打となって1点を失った。

 それでも直後にエドマンが同点ソロを放って試合は振り出しに。三回は再び2者連続三振を奪って2死から鈴木を迎えた。カウント2ボールからカーブでストライクを奪うなど平行カウントに持ち込むと、最後はスプリットで空振り三振に仕留めた。

 四回も続投し、1死からパレデスに中前打を許したが、続くブッシュは一ゴロ併殺打に仕留めた。直後、ベンチに戻ってくるとロバーツ監督と笑顔でハグ。復活を印象づける内容だ。

 59球のうち、ストライクは42球。打者が29スイングした中で11度の空振りを奪うなど、ボールのキレは申し分なかった。

 山本は6月7日のヤンキース戦では7回、移籍後最多の106球を投げ、2安打無失点の快投だったが、降板後に右上腕に張りが出たため、次回登板を延期。中7日の調整で臨んだ6月15日のロイヤルズ戦は試合前の投球練習時から患部に張りを感じながら登板し、2回、28球を投げ終えたところで自ら降板を申し出た。降板直後は右腕上腕三頭筋の張りと発表されたが、精密検査で右肩腱板に損傷が見つかった。

 約4週間のノースロー、2度のマイナーでのリハビリ登板を経て臨む復帰戦。ロバーツ監督は前日に「50~60球」と球数制限を課す方針を示していた。本人は「長く期間が開いていたので楽しみ。しっかり投げたいなと思います」と語った。「明日、どれくらい投げるかはわからないですけど、試合に投げる準備はできた」と明かし、ポストシーズンに向けて「9月の1試合ずつしっかり投げて、10月にどんどん調子を上げていくところで、10月に入れたらいいかなと思います」と語っていたが、貴重な戦力であることを証明する投球内容だった。

 試合はドジャースが八回にまさかの3失策から一挙5失点で逆転負け。復帰戦を白星で飾ることはできなかった。

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