阪神からポスティングシステムを使ってアスレチックスと１年契約を結んだ藤浪晋太郎投手（２８）が１７日（日本時間１８日）、オークランドの球団事務所で入団会見を行った。

　仮の背番号「１」が入ったアスレチックスのユニホームに身を包んだ藤浪が緊張の面持ちで自己紹介を始めた。

　「Ｈｉ　ｎｉｃｅ　ｔｏ　ｍｅｅｔ　ｙｏｕ，　ｅｖｅｒｙｏｎｅ．　１’ｍ　Ｓｈｉｎｔａｒｏ　Ｆｕｊｉｎａｍｉ．　Ｐｌｅａｓｅ　ｃａｌｌ　ｍｅ　Ｆｕｊｉ　ｌｉｋｅ　Ｍｔ．　Ｆｕｊｉ（みなさん、はじめまして。シンタロウ・フジナミです。富士山と同じようにフジと呼んでください）」。

　過去の日本人選手の入団会見はここで日本語に切り替わるが、藤浪は違った。「Ｆｉｒｓｔ　ｏｆ　ａｌｌ（まず最初に）」と続けて「両親にありがとうと言いたいです。２人のサポートがなければ、僕は今、ここにいなかったでしょう」と感動の一言。さらに、先発投手としてチャンスをくれたアスレチックス、古巣の阪神、１年３２５万ドル（約４億２０００万円）プラス出来高１００万ドル（約１億３０００万円）、タイトルボーナス４０万ドル（約５０００万円）の好条件を引き出した代理人、そしてファンに感謝の言葉を送った。

　時間にして１分２５秒。事前に用意した紙を見ながらではあったが、日本人独特のなまりのない流暢なスピーチに米メディアの一人は「ビューティフル」と絶賛。会見場は大きな拍手と歓声が起こった。

　自己紹介後の質疑応答では日本で親しまれている「シンタロウ」ではなく、自らニックネームを「フジ」とした理由を「シンは発音しにくいかなあと。フジの方がみんなマウント・フジも知ってるし、分かりやすいかなと思って」と説明。米国人記者から「富士山に登ったことはありますか？」と珍質問も飛び出した。