大谷新人王 ルース以来の本格二刀流“圧勝選出” イチ以来17年ぶり4人目

 大リーグの新人王が12日(日本時間13日)に発表され、ア・リーグでエンゼルスの大谷翔平投手(24)が01年のマリナーズ・イチロー以来17年ぶり、日本選手4人目の新人王に選出された。移籍初年度からベーブ・ルース以来の本格的な二刀流に挑んだOHTANIが、かけがえのない勲章を手にした。

 硬かった表情が自然と和らいだ。本拠地のエンゼルスタジアムから生出演。特番を組んだMLBネットワークのスタジオから受賞を伝え聞いた大谷は、喜びを言葉にするとともに、サポートしてくれた人々の気持ちを思いやり、笑みを浮かべた。

 「1年目に獲れたのはすごくうれしいですし、応援してくれた方にとってもうれしいんじゃないかなと思うので、よかったかなと思います」

 昨オフ、ポスティングシステムを利用してエンゼルスに入団。二刀流として、投手では10試合に登板して4勝2敗、防御率3・31。打者としては104試合に出場して打率・285、22本塁打、61打点、10盗塁。同一シーズンでの10試合登板、20本塁打、10盗塁はメジャー史上初の快挙。最終候補に残ったヤンキースのアンドゥハー、トーレスを抑えての受賞となった。

 日本選手では95年のドジャース・野茂、00年のマリナーズ・佐々木、01年のマリナーズ・イチロー以来、17年ぶり4人目の金字塔。

 「(米国に)来てよかったなとずっと感じてます。(右肘じん帯損傷の)ケガをしたことはホントよくなかったですし、悔しいなという思いはあるんですけど、その中でこの賞をもらえたのはすごく光栄なことだと思います」と喜びの感情をあふれさせた。

 今季最も心に残っている瞬間には「やっぱり初ホームランはうれしかったですし、ベンチに帰ってからも楽しかった」と、4月3日のインディアンス戦を挙げた。メジャー初本塁打を放ち、意気揚々とベンチに戻った後、同僚たちから無視された“サイレント・トリートメント”を思い返しながら声を弾ませた。

 この日、改めて「憧れの選手」と表現したイチローらと同列に名を連ねた。「単純にすごくうれしいなと思っていますし、素晴らしい選手の中に並ぶことができて、すごく光栄じゃないかなと思います」と言った。大谷伝説はまだ始まったばかり。来季以降も、メジャー史に燦然(さんぜん)と輝く記録を刻んでいく。

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