ダルビッシュ「我慢しながら投げていた」腰の張りで六回降板 続投意欲も同僚エースの言葉が心に響く
「ドジャース5-4ホワイトソックス」(16日・ロサンゼルス)
ドジャースのダルビッシュ有投手(31)がホワイトソックス戦に先発し、6回8安打3本塁打を許し3失点で勝敗はつかなかった。90球、1四球2奪三振。移籍後3連勝はならなかったが、チームはサヨナラ勝ちで4連勝を飾り、貯金を51とした。
毎回の8安打を許しながらも粘りの投球で6回3失点のクオリティースタート。球数的には余力を残しての降板には理由があった。試合後の会見でロバーツ監督が明かしたのは「腰の張り」だった。
ダルビッシュは「前回、(先発した)アリゾナの時からちょっと(腰が)張ってるなあっていうのがあった。それが今日の試合までなかなか抜けなかった」と説明。10日のダイヤモンドバックス戦で投げた敵地のマウンドが硬かったことが原因だと言い、「腰回りがずっと硬く、一塊になってるような感じ。本来は筋肉が分散して動いてほしいところが、塊になってうまく動かせなかった。だから、我慢しながら投げてました」。
試合開始時から感じていた腰の張り。本拠地初のマウンドは「手探りで入った」が、初回に先頭のL・ガルシアに初球を右翼ポール際に運ばれた。
「インハイ。(相手が)アグレッシブなのは分かってたんですけど、いきなり完璧に打ってくるとは思ってなかったのでびっくりしました」
二回のA・ガルシアへの3球目に最速の98マイル(約158キロ)を計時するも三回以降の球速は抑えめ。移籍後の2試合はいずれも10奪三振をマークしたが、この日は五回までゼロ。「全く取れないなあと思いながら投げてました。仕方ないなあというのがすごくあって、ツーシームとフォーシームでうまいことごまかしながら。スライダーのミスも多かったですけど、それも神頼みじゃないけど、そういう感じで投げてました」と話した。
2本目の本塁打は四回。高めに浮いたスライダーを右翼席へ。六回の3本目は低めの91マイルを左翼席まで運ばれた。
本人は七回も続投するつもりでいたが、イニングの合間にベンチの中でエース左腕のカーショーに体の状態を問われた時に「(腰が)ちょっと気になる」と答えたところ、こう言われたという。
「6週間後(のプレーオフ)に必要だからここは無理しない方がいいんじゃないか」
この言葉が心に響いた。
「行こうと思ってたんですけど、代わった方がいいかなと思って監督に言いました」
あくまでも大事を取っての降板。次回先発は中5日で22日のパイレーツ戦に決まっているという。
8月16日は31歳の誕生日。1点リードを許した状況で降板したため、勝ち投手にはなれなかったが、チームは九回に2点差をはね返してサヨナラ勝ち。
「みんなハッピーバースデーってすごい言ってくれた。僕の誕生日プレゼントというよりもチームがこんなに勝ってる中でさらにいい勝ち方をして勝ったことがすごくうれしいです」
自身の負けが消え、チームの勝利がプレゼントになった。