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イチローがカルー超えを「すごい特別」と言ったワケ「王さんに通じる雰囲気がある」

試合前のフィールドでキャッチボールをするイチロー(撮影・小林信行)
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 「カージナルス4-3マーリンズ」(6日、セントルイス)

 マーリンズのイチロー外野手(43)は「7番・右翼」で出場し、3打数2安打1四球だった。7戦ぶりの先発でマルチヒットを記録し、打率は・222(108打数24安打)。メジャー通算3054安打とし、パナマ出身のロッド・カルーのもつ米国外出身選手の最多通算安打記録3053安打を抜くと同時に歴代単独24位に浮上した。

 この日最後の打席となった八回の第4打席。イチローが中継ぎ左腕、シセルが1ストライクから投じた134キロのスライダーを鋭く中前へはじき返した。

 初回の左前打と合わせて1試合2安打。シアトル凱旋試合で今季1号を放つなどした4月19日のマリナーズ戦以来となるマルチ安打でメジャー通算3054安打とし、1960年代から80年代にかけてツインズとエンゼルスで活躍したカルーの記録を抜いた。その数字は米国以外の国で生まれた選手の最多安打記録でもあったが、試合後のイチローは開口一番、「誰の記録か、ということが重要」と言い放った。

 カルーの生涯打率は・327。イチローと同じ左打ちの安打製造機だ。首位打者を7回獲得し、77年には打率・388、14本塁打、16三塁打、100打点、128得点の成績でMVPにも選出されている。メジャー1年目から18年連続で球宴にも出場した。2人の打撃スタイルだけでなく、体型(身長180センチ、体重77キロ)も似ていることからイチローも「僕と比較される時にロッド・カルーの名前をよく聞いた」と話す。

 しかし、イチローにとってカルーの存在が大きい理由はそれだけではない。

 「実際に会った時に言葉はもちろん分からないですが、なんか、こう、あふれる空気が、すごい僕のことを気に掛けている空気がね、伝わってきて」

 イチローが初めてカルーと対面したのは09年5月9日、ミネソタのメトロドームで行われたツインズ戦の試合前。昨年8月にメジャー通算3000安打を達成した後には手紙ももらっている。

 「時間がたつとすごく野球のことが簡単にできると思う人(選手)が多いじゃないですか、でも、そういう中であれだけの成績を残した人が、あの雰囲気でいられるというのは、ちょっと王さんに通じるものが僕の中であって、そういう意味ですごい特別な記録ですね」

 さらにイチローが続ける。

 「いつも誰かの記録に関わる時は、選手としてすごい人はいっぱいいますけど、時間がたってから『この人すごいな』と思える人はなかなかいないですから。そういう意味でもロッド・カルーというのは僕の中で、アメリカで会った人の中ではそういう(王さんに通じる)印象を強烈に抱いた人。だから、ムキになってそれ(対象選手の記録)に向かっていくという気持ちが起こらない人です」

 昨年7月に日米通算安打数でピート・ローズの記録を抜いた時の心境とは大きく異なることを示唆しつつ、米国外出身選手の安打記録を更新したことを問われると「それ(カルーの記録を抜いたという事実)よりも重要なことではない。ロッド・カルーであったということ、それが特別ではありますけどね」と言った。

 カージナルスの本拠地、ブッシュスタジアムは15年8月15日にイチローが日米通算安打数でタイ・カッブの記録を超えた場所。敵地でありながらスタンディングオベーションで祝福されている。また、セントルイス近郊には、イチローが04年に史上最多の262安打を記録した際に抜いたジョージ・シスラーの墓がある。

 カルーの記録を超える通算3054安打。全米屈指のベースボールタウンでイチローが思い出に残る一打を放った。

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