聖地に「IKEDA」が帰ってきた

 「選抜高校野球甲子園練習」(18日、甲子園)

 「IKEDA」が帰ってきた‐。出場校による甲子園練習が18日行われ、1992年夏以来、22年ぶりの甲子園出場となる池田(徳島)が登場。春は27年ぶりで、ナインは30分間の練習で聖地の感触を入念に確認。打撃練習では“やまびこ打線”を思い起こさせる快音を響かせた。池田は大会第2日第2試合に登場する。

 聖地に「IKEDA」が帰ってきた。22年ぶりに“やまびこ打線”の金属音が銀傘に響いた。黒土と緑の芝、巨大な観客席…。目の前に広がる“大海”の風景に、山あいの子どもたちの目が輝いた。

 79年夏準優勝時の主将だった岡田康志監督(52)は「長年追い求めてきた場所。気が引き締まります」と感慨深げにマンモスを見渡した。

 岡田監督にとっては、故蔦文也元監督の後継者として指揮を執った92年夏以来の甲子園。30分間の練習はノックから始めた。かつて恩師が口酸っぱく繰り返したように、甲子園の広いファウルグラウンドの感覚をつかむよう選手たちに指示。打撃練習では、ナインは思い切りのいいスイングを披露した。

 「慌ただしかったけど全力でやれた」と三宅駿主将(3年)。あこがれのマウンドから10球投げたエース・名西宥人投手(3年)は「本塁が近く感じた。調子いい」と手応え十分の表情だ。

 出発前の17日朝、岡田監督は恩師の自宅を訪れ、蔦元監督の妻・キミ子さん(91)に「行ってきます」とあいさつした。全盛時に寮母としてチームを助けたキミ子さんからは「頑張って1つは勝ってよ」と激励された。

 この日朝には、かつて試合前に勝利を祈った甲子園近くの「勝鬨(かちどき)地蔵」を全員で参詣。さらにチームが定宿としていた「網引旅館」の女将・秀高節子さんにも会い「1つ勝って下さいよ」とエールを受けた。

 黄金期を支えた“恩人”たちの願いをひしひしと感じた。8日の対外試合解禁後は9戦全勝。チームは好調だ。大会第2日の海南(和歌山)との初戦に向け「この素晴らしい球場で、自分たちの野球を伸び伸びやってほしい」と岡田監督。高校野球ファンから熱い期待を浴びながら、27年ぶりの春が始まった。

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