ケイバ熱盛ブログ「日本ダービー。横山典Jの選択は」(5月21日)

 栗東・井上です。キャリアを重ねても、知らないことが多く、驚くことばかり。やっぱり取材は面白い。そんなことを思う、今日この頃です。

 予想に頭を悩ませて印を打った翌日には結果が出る。競馬はそのルーティンを繰り返すのですが、結果が出たあとの復習が大切。「先週の○○ですけど」。自分の考えと、関係者の思い。答え合わせをすることが知識の蓄えとなり、次走にもつながります。ま、ワタクシもコレで飯を食っているので、手の内を明かすワケにはいきませんけどね(笑)。

 昨秋から、横山典Jが栗東に滞在しています。これまで、日々の調教取材でコンタクトを取れるのは出張先の札幌ぐらい。長期滞在となれば、またとないチャンスです。18歳の時、京都競馬場でライブ観戦したエリザベス女王杯。キョウエイタップの追い込みにしびれたワタクシは、それからずっと横山典ファンです。

 そんなノリさんですが、馬から降りれば調教師やジョッキーが周りを囲む。スキを見つけて話を聞かせてもらうと、毎回のように帰るはずの時間も気にせず、丁寧に教えてくれる。例える対象に、メジロライアン、タイキシャトル、ゴールドシップ、エリモブライアンなど、個性的な馬たちが登場して、こちらはすっかり少年の目です(49歳ですけど)。「競馬の沼にハメてやるよ」。ハイ、喜んでハマります。

 先日、こんな話を福永Jから聞きました。「馬って分からないことがいっぱいある。だから面白い。ノリさんの周りには人が集まるやろ?そして、みんな言うねん。“馬って、そうなんですか?”って」。馬の気持ちを一番分かっているのはノリさん。ジョッキー界でも周知の事実のようです。

 ノリさんからはマスコミに苦言を呈されました。「“出遅れ”って言葉、何とかならないのかな」。“出遅れ=ジョッキーのせい”と思われがちですが、出遅れる理由は何だと思いますか?馬の癖によるものが8割、人が原因なのは2割。ジョッキーの大半がこう言います。駐立ができない、驚く、怖がるなど、馬の癖や性格によるものが多く、ジョッキーの扶助ではどうしようもないものばかり。個人的にはジョッキーの影響ではない“出遅れ”は“駐立不良”に言い換えた方がいいと思うのですが、競馬サークル全体がそういった表現で統一するのは難しいでしょうね…。

 ノリさんは「勝つ」「自信がある」「買っておけ」なんて言わない。表現で察しろ、と。少しずつですが、分かってきました。おかげで、14日の中京5Rエンドウノハナ、15日の東京10Rハセドンをデイリースポーツのコラムで推奨し、どちらも1着。おいしい馬券になりました。

 いよいよ、日本ダービーです。横山典JはNHKマイルC2着のマテンロウオリオンに騎乗。デビューから手綱を取るマテンロウレオは横山和Jが騎乗する。皐月賞のあと、ノリさんに“答え合わせ”をしてもらって、ダービーの感触を教えてもらったのに…。オリオンを選ぶとは思っていなかった-。「深い意味はない。オリオンに乗るのはその先のことも考えて、ってこと。レオだって、今ノッてるジョッキーだから大丈夫。今年のダービーは混戦だぞ」。競馬の祭典を心待ちにしましょう。

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