【ボート】宮島58日連続スタート事故なし記録は選手の“頑張り”に尽きる

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 宮島ボートで、連続58日スタート(S)事故なしという信じられない大記録が生まれた。2月25日の3Rから、6月20日の11Rまで、延べ717レースでフライング(F)も出遅れ(L)も出なかった。従来の記録は若松が1991~2年にマークした50日。平成初期の記録を、令和元年に大幅に更新したわけだ。

 信じられない、と述べたのは、宮島が全国でも最もSが難しいレース場として知られるからだ。前代未聞の全艇非常識Fが出たのは昨年2月5日。翌6日にも全艇F(5艇立て)が続いたのは大きな話題となったこと。それから1年しか経っていないのに、180度違う記録が生まれた。記録継続中、3節で選手代表を務めた市川哲也(49)=広島・67期・A1=も「歴史に名を残したレース場で、まさかこんな記録が」と、驚きを隠せなかった。

 宮島のSが簡単になったということは決してない。記録誕生はひとえに選手の“頑張り”に尽きる。特にそれを感じたのが、記録更新が近づいた5月28~6月2日の開催。ここには前出の全艇非常識Fを犯した、山本修次(49)=滋賀・72期・B2=と河野主樹(23)=大阪・121期・B2=が参戦していた。2人ともFだけはいけないと、必死にSを合わせた。特に河野は「ホントにSだけです」と、悲壮感いっぱいの表情で頑張った。

 この節はほかの選手も「ここでFを切ったら、永遠に言われる」と、思い切り踏み込みたい欲をグッとこらえて辛抱していた。勝利への近道である速いSと、レースを壊すFは紙一重。今回の記録にかかわった選手たちは、誇りに思ってもらいたい。(宮島ボート担当・浅野将之)

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