【ボート】“チーム山口”の結束力で成功した64年ぶりの徳山SG

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 先日行われた2018年のSG第3弾・グランドチャンピオンは白井英治(41)=山口・80期・A1=の涙の地元Vで幕を閉じた。舞台は64年ぶりのSG開催に湧く徳山ボート。SG開催前から、関係者一同のSGに懸ける熱い思いを肌で感じとっていただけに、記者にとっても記憶に残る大会となった。

 周南市競艇事業局競艇事業課課長補佐の坪根秀樹氏が「SGは年間8場しかできない。その最高峰のレースをこの街でできる。64年間開催できなかった分を含め、支えてくださったファンや周りの方に、最高峰のレースを見ていただきたい」とファンへの恩返しと位置づけた今大会。本場に足を運び、楽しい思い出を作ってもらうための親子一緒に遊べるイベントや、遠征組にうれしいグルメマップなどのサービスを充実させた。かゆいところにまで手が届くおもてなしの心に、幅広い年代のファンが連日徳山ボート場にかけつけた。

 そして関係者同様、今村豊(56)=山口・48期・A1=や白井、寺田祥(39)=山口・81期・A1=の3選手も、地元SGへの思いを全面に出していた。初日の選手紹介で今村が「山口3人からグランドチャンピオン覇者を出す」と宣言すれば、6走オール3連対でシリーズをリードし、予選トップ通過を果たしたのは寺田。その寺田は準優で2着惜敗したものの、かわって優勝戦1号艇を手にしたのは白井。そして白井は頂上決戦でインからコンマ07のトップS。かけつけた大勢のファンの前で完璧な逃げを決め、2度目のSGVを地元で成し遂げたのだ。スタンドからの大声援が力になったのだろう、レース直後のインタビューでこぼれ出た「もう一度、徳山でSGがしたい」という言葉がとても印象に残った。

 そして“チーム山口”の結束力が如実に表れたのが、場内で行われた優勝インタビューだ。師匠である今村と、同じく優勝戦を走った寺田が表彰式に登場。そして今村が「きょうの優勝戦は白井英治がヒーロー。でもこのグラチャンを引っ張っていったのは寺田祥。この2人の頑張りを褒めてやってください」と白井だけでなく、寺田も称える挨拶をすると、集まったファンからは大声援がわき起こった。続けて「今からの山口県はこの2人が引っ張っていってくれると思う。競艇王国は山口県だと言うことを見せてもらいたい」と後輩2人の今後の活躍を地元ファンに高らかに宣言すると、再びファンは大歓声。その中には感極まって涙を流すファンや関係者が続出したほど。選手、ファン、関係者の心が一つになった瞬間だ。

 関係者が“ファンへの恩返し”と位置づけた今大会。地元3選手がその思いに応えるかのように活躍し、結果白井が優勝。そして歓喜の涙を流しながら、表彰式で地元3選手に大歓声を送るファンの姿。それぞれが抱く強い思いが相手に届き、それがまた次の相手に届く。その完璧な流れは、一週間で一つの小説を読んだような感覚にとらわれた気さえする。優勝戦終了後、関係者一同のやりきった、充実した表情を見れば「もう一度と言わず、これから何度も徳山でSGを」と思わずにはいられなかった。(関西ボート担当・西脇由利)

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