【ボート】児島担当9年目、地元選手に感謝の日々

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 2010年3月から児島ボートの担当となり、この春で9年目に突入。児島駅でタクシーに乗ると、行き先を告げなくてもボート場まで運ばれる。中には「今日はどっち?」と聞く乗務員さんもいる。私が定期的にボート場にほど近いクリニックに通院することまで知れ渡っているのだ。

 私の場合、病院通いは健康管理の一環。過労と加齢に対処するため、健康には人一倍気を配ってきた。昨年秋の健康診断も視力以外はA(基準値内)。年下の記者よりも、内蔵の数値は断然いいと自信を持っていた。

 そんな私に異変が生じたのが今年1月。年末年始の暴飲暴食で体重が4キロ増えた。スーツはピチピチ。ウエストが苦しくて、ボタンを外してセーターで隠していた。「この程度ならバレない」と思っていたが、徹底した体重管理を行っている選手の目はごまかせない。新年1節目のオール岡山でそれは起きた。なじみの選手に新年のあいさつをしていると、同い年の小畑実成(51)=57期・A2=が私の顔を見て言い放った。「どしたん?目が小さいよ」。小畑ほど礼儀正しく、心優しい選手はいない。その小畑が新年のあいさつをカットして発した言葉がコレなのだ。「紅白を見て泣いたから」と言い訳したが、内心まずいと感じていた。

 それでも食欲を抑えきれず次のシリーズを迎えると、自分でも鏡を直視できない状態。目は小さく、二重あごになっていた。取材中は終始うつむき、選手とも目を合わせることができない。そんな私を見た森岡満郎(42)=岡山・77期・A1=が何か言いかけ、言葉を飲み込んだ。私は意を決して森岡に頼み込んだ。「本当のことを言って!!私、太ったのが分かるよね」。森岡は「女性に言っては失礼かと思いましたけど、見た目で分かります。かなり不摂生をしていますね」とピシャリ。太っただけでなく顔色も悪いとフィードバックしてくれた。

 病院に行き、血圧を測ると160。健康診断時の107から一気に上がっていた。ただの正月太りなどではなく、病気の一歩手前だったのだ。前にかがめないほどの腰痛も、ひどいむくみもそのサイン。食生活を改善し、階段の上り下りなど体を動かすことを心掛け、何とか2週間で体重と血圧は元に戻った。

 その後、さらに体重は4キロ減。春の陽気でコートを脱いだ3月末のシリーズではスーツがブカブカ。今度は痩せたと選手に心配され、事の経緯を説明して回った。今思えば、あの時期はストレスを抱えていた。ハードな日程を乗り切れるかと不安になり、食べることで現実逃避。あのまま突っ走っていたら倒れていただろう。私の児島での8年間を見てきた地元の選手だから気づいてくれた異変。私の暴走を止めてくれた小畑と森岡に感謝し、もう二度と選手に心配をかけまいと誓う私であった。(児島ボート担当・野白由貴子)

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