【平和島G1特集】椎名豊(群馬支部)
「椎名は独自のペラ調整をしているから、ハマった時は手が付けられなくなる」。椎名がSG初Vを決めた22年7月のオーシャンカップ(尼崎)で、選手同士が話していた言葉を今でも覚えている。実際に、その時の椎名は抜群の動きで、尼崎の常駐記者たちも「いいエンジンだけど、それでもこの出方はすごい」と話していた。元々、S力はボート界でも屈指で、そこに抜群の足が備わればSG戦線でも十分に通用することが結果として証明された。
昨年は10月のびわこ周年記念でG1初Vを決める活躍。年末のSG・グランプリ(住之江)に賞金ランク18位以内で出場することはかなわなかったが、グランプリシリーズでは特別選抜A戦(4着)までこぎ着けるなど、存在感をしっかりと示していた。
平和島では18年1月に行われた周年記念で予選首位通過を決めた。準優は大雪で難しい水面となり、2コースの江口のまくりに沈み6着と大敗したが、その時も機力をしっかりと引き出して選手間でも高い評価を受けていたのを覚えている。6年越しとなるが、さらに成長している今の椎名ならリベンジのチャンスは十分にあるはず。周年記念の忘れ物は関東地区選手権で取り返す。