「みやこＳ・Ｇ３」（６日、阪神）

　新たな戦法を身につけた実力馬が、長いトンネルを抜け出した。単勝９０・７倍の１１番人気サンライズホープが低評価に猛反発し、昨年１０月のシリウスＳ以来、１年１カ月ぶりの重賞２勝目を飾った。

　引き揚げてきた幸は開口一番「予定通りです」とおどけたが、今回は思いもせぬ形でいつもとは違う競馬に。スタートでトモを滑らせ、いつもの先行スタイルが取れず、「やっちゃったかな…」と殊勲の鞍上。一瞬肝を冷やしたが、そこからが冷静だった。

　「最近は前でだらしないレースが続いていたので、どこかで試したかった」と腹を据えて後方待機。勝負どころから一気に進出を図ると、４角では先頭をうかがう勢い。「もう来ないでくれ－」。抜け出してからはその一心で懸命に右ステッキを振るい、ハギノアレグリアスとのたたき合いを頭差で制した。

　「能力がすごく高いと思っていたので、最近の負け方には納得がいっていなかった」と主戦。管理する羽月師も「出遅れたので“あーあ”と思いましたが、力があるということを再確認できました。前にこだわらなくて良くなったのは収穫です」と復活Ｖに喜びはひとしおだ。希望の光に照らされた５歳馬が、再びさらなる高みへと駆け出した。