【中山記念】パンサラッサ 2馬身半差の大逃げV 矢作師「ドバイも考えたい」

 「中山記念・G2」(27日、中山)

 2番人気のパンサラッサが後続に影をも踏ませぬ圧逃劇。開幕週の中山千八を1分46秒4の好タイムで駆け抜け、21年秋の福島記念に続く重賞2勝目を飾った。定年引退のため最後の重賞挑戦となった高橋祥師の管理馬カラテ(4番人気)が2着に入り、同じく引退する藤沢和師は3頭出しだったが、レッドサイオンの9着が最高だった。なお、1番人気のダノンザキッドは出遅れも響いて7着に沈んだ。

 福島記念の再現かのような圧逃劇。完全に覚醒した今のパンサラッサにとって、中山の急坂など何の障害にもならなかった。

 抜群のスタートから難なく主導権。2F目から正確に11秒台を刻み、1000メートル通過は57秒6。ドッと場内がざわついたが、ここからさらに後続との差を広げていく。5馬身、6馬身…セイフティーリードを保ったまま最後の直線へ。後続の蹄音は聞こえない。ここで勝負あり。鞍上の右ステッキに応え力強く坂を駆け上がり、堂々とゴールを貫いた。

 3戦ぶりに手綱を取り、完璧にエスコートした吉田豊は「先生からは“この馬の競馬を。皆に脚を使わせてぶっ放してくれ!”と言われていました」とニヤリ。矢作師とは趣味の競輪仲間で気心の知れた仲。08年ガーネットS(タイセイアトム)を逃げ切って以来、コンビ2度目の重賞制覇となった。そして、自身にとっては2年ぶりの重賞V。「この馬のペースで最後まで頑張ってくれた。精神面での成長を感じましたね。もっと強い馬に勝てるようになってほしい」とエールを送った。

 遠征先のサウジアラビアで戦況を見つめた矢作師も「福島と同じく強い内容。この馬場で、この時計で勝てたのはうれしいね」と喜んだ。次は再びG1舞台が視野に。優先出走権を得た大阪杯はもちろん、「招待待ちだが、ドバイ(ターフ)も考えたい」と指揮官。国内外で活躍を続ける“世界の矢作”が、この日も競馬ファンに強い印象を残した。

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