【クイーンS】イカット 一発狙う!波乱続出の夏競馬、格上挑戦で初の重賞へ

 「クイーンS・G3」(8月1日、函館)

 前走で2勝クラスを勝ったばかりのイカットが、思い切って重賞に初チャレンジする。2020年7月に函館で未勝利戦を勝ってから、地道に勝ち星を積み重ねてきた。実績面では見劣りするものの、全3勝を北海道シリーズで挙げており、コースとの相性は抜群だ。格上挑戦でも陣営は本気で一発を狙っている。

 先週のアイビスSDでは、2勝クラスから2階級格上挑戦の3歳牝馬オールアットワンスが、51キロの斤量も生かして力強く重賞初Vを決めた。さらに内ラチ沿いを走るという“奇襲”に出た、これも2勝クラスのバカラクイーンが14番人気ながら3着に好走。夏競馬らしい波乱のシーンが見られた。

 今週も格上挑戦馬から目が離せない。イカットは2勝クラスを勝ったばかりで重賞初挑戦。だが、この条件を見据えて本気で一発を狙っている。近藤助手は秘めた自信を言葉に込めた。「相手は強くなるけれど、小回りの芝1800メートルはこの馬の最適条件。まだ底を見せていないし楽しみです」と臆するところは感じられない。

 デビューは3歳春と遅かったが、洋芝の1800メートルというベストの舞台で3勝。どの勝ち方も中団からしぶとく抜け出してきた内容だった。「スムーズな競馬だとかえって駄目なんです。馬群の中でストレスをかけた方がいいんですよ」と同助手。やや気難しい面はあるが、もまれて馬が怒ると気持ちのスイッチが入って一瞬の切れ脚が引き出されるタイプだという。

 それだけに前走でその特性を体感している横山武が連続で騎乗するのは買い材料だ。近藤助手も「これまではレースごとに騎手が代わっていましたから。前走で特徴を分かってくれたジョッキーが乗ってくれるのは心強いですね」と歓迎する。31日には自己条件のSTV杯もあったが、登録はこのクイーンSだけに絞った。勝算アリとみて挑むだけに、下克上のシーンがあっても驚けない。

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