「ヤングダービー・ＰＧ１」（２２日、びわこ）

　ヤングダービーラストイヤーで、有終の美を飾った。磯部誠（３０）＝愛知・１０５期・Ａ１＝が、２コースから差してＧ１優出６回目で、うれしい初優勝。優勝賞金１１００万円を手にした。これで賞金ランキングも１８位まで浮上。年末のグランプリ出場に一歩前進した。２着には同じくラストイヤーとなった木下翔太。人気の１号艇・上田龍星は３着だった。

　ヤングダービーの卒業証書は“Ｇ１初優勝”という最高の栄誉。磯部が圧巻のターンでラストを締めくくった。

　準優の激闘を戦い抜き、「勝てるかも、と思うとプレッシャーを感じる」とあくまで自然体で臨んだ優勝戦。１号艇・上田のミスを逃さなかった。「少しターンで漏らしている感じに見えたので、ターン回りをしっかり回ろうと思った」と２コースから巧みな差しで懐に切り込み、バックで鋭伸。１周２Ｍを先マイでリードを広げ、今年で卒業となるヤングダービーの舞台を華麗な走りで飾り幕を下ろした。

　０９年１１月のデビュー以来、Ｇ１は待望の初優勝だが、師匠の池田浩二から「これはＧ１じゃない、と言われそう」とまだまだ満足できる実感はない。「正直、あまり大きな大会で活躍できる自信はまだ持てていない。一般戦でも何でも、その積み重ねを大事にしてチャレンジカップに行こうと思ったし、僕はこのスタイル」とこれからも、謙虚にレースに臨む。

　獲得賞金は５０００万円を突破し賞金ランクも１８位に浮上。「ここでやらかすのが僕なので気をつけたい」と気を引き締める。地元の蒲郡で開催のＳＧ・チャレンジカップ（１１月２４～２９日）に向け大きな弾みとなったが「最大の目標は、次走の蒲郡の一般戦でまず優勝すること」と目を光らせる。若手Ｎｏ．１の称号を手にした次世代のエースが、成長の加速を増していく。