吉田豊復活Vに人の縁あり

 美浦トレセンで多くの人に「おめでとう」と声を掛けられていた男がいた。先週の京成杯をクリスタルブラックで制した吉田豊騎手(44)=美浦・フリー=だ。17年12月に頸椎骨折の重傷を負い、1年3カ月の長期休養を余儀なくされ、昨年3月に復帰。17年中山金杯以来の重賞Vとなり、「うれしいですね」と笑顔で語った。

 クリスタルブラックを管理する高橋文師と吉田豊は大久保洋吉元調教師の門下生。厩務員、助手と騎手で立場は違ったものの、同じ釜の飯を食べた仲である。ケガから復帰後も騎乗依頼を続けてもらっていた。兄弟子の管理馬での重賞Vに「勝てて良かったです」と喜びもひとしお。「他の先生も含め、大久保先生のところで一緒にやってきた方々には、本当にお世話になっています」と周囲への感謝を口にした。

 競馬にはドラマがある。記者としてこれまでいろいろな場面に立ち会ってきたが、先週の京成杯は人の縁と絆を強く感じたレースだった。(デイリースポーツ・小林正明)

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