【エ女王杯】リスグラシュー完璧デモ 初騎乗モレイラ絶賛「すごく良かった」
「エリザベス女王杯・G1」(11日、京都)
もう2着はいらない。リスグラシューが7日、栗東坂路で闘志あふれるフットワークをアピールした。ここまでG1は8回挑戦して銀メダル4回と歯がゆいが、大舞台で見せてきた決め脚は超一流のそれ。名手モレイラを背に大願成就なるか。
ファーストコンタクトで見事なハーモニーを奏でた。悲願のG1奪取を狙うリスグラシューは、初コンビのモレイラが栗東に駆けつけ、完璧な最終デモを行った。
坂路でリーゼントロック(7歳オープン)を追走する形でスタート。ラスト400メートル地点で馬体を重ねると、そこから一気にギアを上げる。馬が前のめりの姿勢になったが、鞍上はピタリと折り合いをつけ、回転の速いフォームでパートナーを置き去りに。馬なりのまま4F52秒0-37秒8-12秒9。時計的にも申し分のない数字で、名手は乗り味の良さを称賛した。
「健康的だったし、仕上がりはいい。状態については満足しているし、レースが楽しみだね」と期待感をあらわにした。ただ、騎乗する前に抱いていたイメージとは、多少ギャップもあったようで、「行きっぷりが良かった。抑え切れないほどではなかったが、走りたがっていた。手応えがすごく良かった」。気合が乗った闘志あふれるアクションは、鞍上にレースへ向けての自信度を増幅させた。
モレイラの騎乗停止で、M・デムーロが代打騎乗した前走の府中牝馬Sは2着。宮内助手は「勝った馬が強かった。内容は良かったと思う」と評価する。ディアドラの鬼脚には屈したものの、いったんは抜け出し、完全な勝ちパターンだった。そのディアドラが今回は不在。今度こそビッグタイトルを-。陣営の期待は高ぶっている。
「今までも素晴らしいジョッキーに乗ってもらいましたが、個人的にモレイラは、馬を動かしてくれるイメージなので合っていると思う。新しい味を出してくれたら」と同助手。G1・2着が4回。もう銀メダルはいらない。“マジックマン”とともに、悲願の金メダルをつかむ。