【レパードS】ローズプリンスダムV 木幡巧、重賞初制覇「夢みたい」

 「レパードS・G3」(6日、新潟)

 右ステッキで一気に加速した11番人気ローズプリンスダムを、全身を揺らして追い込むこと10数秒。先頭でゴール板を駆け抜けた瞬間、木幡巧は右の拳を力いっぱい振り下ろした。「今でも興奮しています。夢みたい」。藤田菜七子と同期の2年目。12回目の挑戦。6人いるなかで一番乗りの重賞初制覇に、勝利騎手インタビューでは顔を真っ赤にした。

 道中は好位のインでジッと我慢。直線でエピカリスを包囲するように馬群が固まるのを確認すると、ラスト200メートル手前で3頭ほど外へ持ち出した。視界が広がると、別次元の手応えが待っていた。「馬の方からスッと行ってくれました。今でも感触が忘れられないくらいです。助けられました」とパートナーの走りをたたえた。

 昨年は45勝を挙げ、最多勝利新人騎手に輝いたが、今年は大幅なペースダウンで、これがようやく13勝目。4度の騎乗停止処分(開催日計13日分)も受けた。「休んでいる時期に悩むようになった。減量も1キロになって、以前のようにがむしゃらなだけでは勝てなくなっているのも分かっていた」と苦しい日々を振り返る。

 はじけた笑顔をいったん封印。「まだ吹っ切れてはいない。重賞に乗れるのが幸せという状態。これを自分の成長につなげていかなければ」と謙虚に前を向く。掛け違った歯車は、ここからまた、順調に回り出すだろう。

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