【クイーンS】アドマイヤリード照準ピタリ ラスト1F“大外一気”の豪快リハ

 「クイーンS・G3」(30日、札幌)

 2頭のG1馬が参戦し、豪華な顔触れとなった北の女王決定戦。ヴィクトリアマイルを制したアドマイヤリードが26日、ルメールを背に鋭い伸び脚をアピール。ブランクを感じさせない動きで体調の良さを伝えた。一方、NHKマイルCの覇者アエロリットも負けじと、3歳馬らしくハツラツとした走りを披露。両馬ともに仕上げに抜かりはない。

 日差しが照り始めた午前6時。誇らしげにG1ゼッケンをまとったアドマイヤリードが、札幌競馬場の地下馬道からゆっくりと姿を現した。角馬場で体をほぐしたあと、2歳馬3頭とともに本馬場へ移動。まるで若駒の成長を見守るような、変則的な併せ馬がスタートした。

 3頭横並びの2歳馬を前に見ながら、その直後をポツンと追走。がむしゃらに走る若駒とは対照的に、競馬のお手本のような走りでピタリと折り合った。手応え十分に直線へ向くと、ラスト1Fは軽く仕掛けた程度で鋭伸。実戦さながらの、鮮やかな“大外一気”でゴールを貫いた。

 5F64秒1-34秒6-11秒6に、騎乗したルメールは「とても良かった。馬の後ろですごくリラックスしていた。ラスト100メートルだけ追ったが、いい瞬発力を見せてくれた。彼女の状態は完璧でした」と期待通りの走りに笑みがこぼれた。

 動きを見届けた須貝師も「競馬のシミュレーションを意識した。想定した通りの動き」と納得の表情。「430キロ前後(前走時は422キロ)で競馬ができたら理想かな。張りはあるし、毛ヅヤもいい。精神的にもリラックスしている」と万全の仕上げに胸を張る。

 レースに関しては「開幕週の馬場が鍵。自分から出して行くタイプじゃないから。うまく流れに乗れたら」と課題を挙げたが、G1馬としてここらでつまずく訳にはいかない。「秋はこの一戦を見てから。牝馬路線か、マイル路線か。重要なポイントになってくる」と指揮官。結果はもちろん、勝ち方を問われる一戦だ。

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