【UAEダービー】ラニV史上初の快挙
「UAEダービー・UAE・G2」(26日、メイダン)
UAEダービーでは、武豊騎乗のラニが日本馬初勝利を挙げ、米ケンタッキーダービー挑戦への扉を開いた。
史上初の快挙だ。日本でもおなじみの勝負服を背に、芦毛の馬体が躍動。武豊騎乗のラニが鮮やかな差し切りVを決め、夢への切符を勝ち取った。
スタート直後は最後方を追走。7頭立てという少頭数を生かして、道中で一気に外から進出すると抜群の手応えのまま直線へ。ゴール前で粘るユウチェンジをとらえ、地元UAE期待の4戦無敗馬ポーラーリバーの追い上げも押さえて歓喜のゴールへ飛び込んだ。「スタートでつまずいたが、道中はいい手応え。最後の直線は厳しいかと思ったけど、よく伸びてくれました」と武豊は得意げな表情を浮かべる。
昨年までに10頭の日本馬が挑戦し、06年フラムドパシオン、15年ゴールデンバローズの3着が最高。高き壁を、母ヘヴンリーロマンス譲りの底力を発揮してぶち破った。
一時はレースへの招待がなかなか届かず、出走断念もよぎっていだけに喜びもひとしおだ。一転して大きな勝ち星をつかんだ松永幹師は「ケンタッキーダービー(米G1、5月7日・チャーチルダウンズ)に向かいたい」と高らかに宣言した。
27日朝の様子を田中敬太レーシングマネージャーは「さすがにやや疲れた様子もありますが馬体に問題などはありません」と説明。この後はドバイから直行でアメリカ入りする予定だ。日本馬としては95年スキーキャプテン(14着)以来、21年ぶりとなる米三冠レースへの挑戦。勲章を手にした芦毛の3歳馬が、さらなる高みを目指してまい進する。