【北九州記念】エピセ得意の舞台で勝つ

 「北九州記念・G3」(24日、小倉)

 エピセアロームが20日、栗東坂路を鋭いフットワークで駆け上がり、ひと叩きされての変わり身をアピールした。得意の舞台に移り、あのロードカナロアを破った12年セントウルS以来のタイトル奪取を目指す。ベルカントも巻き返しへ向けて虎視たんたん。ケガで療養中の主戦・武豊に変わって騎乗する藤岡佑も好感触を伝えた。

 まとわりつく湿った空気を、切れのあるフットワークではじき飛ばした。CBC賞2着のエピセアロームが栗東坂路で鋭伸した。

 巧みなバランス感覚で、重心を低く保ちながらの登坂。まるでレールの上を走っているかのような滑らかさ。真っすぐな蹄跡を残すと、4F52秒0‐37秒9‐12秒4というタイムを刻んで見せた。

 動きと時計を確認した石坂師は、体調の良さを確信する。「先週併せ馬でやっているからね。暑さも考慮して単走にしたが、この時計なら十分だね」とうなずいた。さらに「前走も体調は良かったので、その状態を保っているね。やはり夏場はいいようだな」とトーンはアップした。

 ロードカナロアを封じて快勝した2年前のセントウルSを含め、芝1200メートルでは〈3・2・1・3〉と安定した実績を残している。しかも小倉では11年小倉2歳Sを勝ち、12年北九州記念で3着。そこに“大好きな夏”というファクターが加わる。

 「1400メートルにもトライをしてきたが、やはり1200メートルがベストだね。体調は万全なので、何とか勝ち切りたいですね」と指揮官は意欲を隠さない。円熟期を迎えた5歳牝馬が、思い出の地で3つ目のタイトルをたぐり寄せる。

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